農研機構は5月19日、アシストスーツの効き具合を見える化する評価方法を構築した。 少子高齢化による人手不足が進むなか、アシストスーツは農業現場の負担軽減の有力な手段として期待されている。しかし、これまで「どの作業に、どの製品が、どのくらい効果があるのか」が分かりにくく導入が進みにくいという課題があった。 農研機構では、アシストスーツが発揮するトルクを安定して計測する方法と、農作業中の体に生じる負荷...
米を巡っては、価格の低迷や供給量不足等による高騰、その後の緩やかな下落傾向など、状況が二転三転している。こうしたなか、農水省では、農産物等の適正取引が推進される仕組みの構築を検討しており、米に関しては、米穀安定供給確保支援機構(米穀機構)が今年4月、初の認定指標作成等団体に認定された。これにより、米穀機構が作成・公表したコスト指標が、取引条件の協議で、合理的な根拠として活用できる。コスト指標の必要...
農水省はこのほど、技術的課題(現場ニーズ)について、令和7年度は計576件を収集したことを明らかにした。全体的な状況として、気候条件の変化を背景とした生産の不安定化、人手不足、資材価格の高騰に関する課題が、作目や地域を問わず確認された。例えば、大豆では高温少雨条件下での高位安定生産技術の開発について、秋田県農業試験場作物部が提案している。なお、作目別では、野菜が最多の173件。次いで果樹が120件...
農水省は4月28日、みどりの食料システム戦略技術カタログをVer.6・0に更新した。今回の更新では、「現在普及可能な技術」23件、「みどりの食料システム法の認定を受けた基盤確立事業」16件を追加。今回の更新によりVer.1・0からの累計で478件の技術が掲載されている。今回追加された技術としては、水田用自動抑草ロボット(アイガモロボ)による雑草害とスクミリンゴガイ食害の抑制効果や茶園用除草機による...
農水省は4月28日、令和7年産そば(乾燥子実)の作付面積及び収穫量を公表した。 作付面積は、前年並みの6万9100haとなった。なお、内訳は田が対前年産比7パーセント減の3万6600ha、畑が同11パーセント増の3万2600haと、畑での栽培が増える傾向にある。また、10aあたり収量は対前年産比7パーセント下回る55㎏となった。これは、主に東北において収穫期の降雨、北海道において開花期の高温による...
様々な被害をもたらしている気候変動。農水省では、気候変動による農業や農村への影響を分析、整理するとともに、気候変動を考慮した農業農村整備における計画、設計などのあり方等の検討を目的に、令和2年度に有識者から構成される「農業農村整備における気候変動対策に関する検討会」を設置。「排水」及び「用水」を優先課題として議論を重ねてきた。 今年3月には、検討会において、農業農村整備分野における気候変動の影響、...
今年3月17日、衆議院に提出された農林中央金庫法の改正案及び農業近代化資金融通法の改正案の2案について、4月20日から参議院農林水産委員会で議論が行われ、23日に前者は賛成多数、後者は全会一致で可決。翌24日の参議院本会議では賛成多数で可決された。農業近代化資金融通法の改正案は、貸付上限額を個人2億円、法人7億円に引き上げるなど、大型機械やスマート農業機械といった昨今高額となる設備投資に対する旺盛...
林野庁は4月22日、林政審議会を開催、森林・林業基本計画案及び全国森林計画案などを審議。内容について概ね同意を得られたことから、今後、パブリックコメント、再度の審議会を経て新森林・林業基本計画が決まる。示された案では、基本計画としては初めて副題を設定。「百年つづく『森の国・木の街』へ」とした。その実現に向け、スマート林業技術の実装等による持続的な林業の確立等を進める。KPIとして低コスト造林の面積...
サンドナイス=千葉県成田市本城54―20=は、畑の石取りと耕うんを同時に行える自走式畑石取篩機「すなっぴー(SCM―M02)」の普及拡大に力を入れている。 同機は、本体に取り付けられたスクリューとローターで土や石を掬い上げ、後部の篩(ふるい)カゴへ投入。篩を通して土を地面に戻しながら、小石や異物を効率よく除去する仕組みとなっている。篩がけされた土は細かく砕かれ、そのまま畝状になるため、石取りとほ場...
新潟クボタ=吉田丈夫社長、新潟県新潟市中央区鳥屋野331=は、6月19日から21日までの3日間、ハイブ長岡(新潟県長岡市千秋3―315―11)で「新潟クボタまるっとフェスタ」を開催する。農業機械をはじめ、各事業部が提案する関連商品を幅広く展示し、営農を総合的に支援する「トータルソリューション」を提案する。 会場では、最新農機や注目機種を多数展示するほか、スマート農業関連の提案を強化。また、農業機械...
タカキタ=藤澤龍也社長、三重県名張市=は、スノーブロワ「SBシリーズ」のラインナップを拡充し、センタードライブ仕様のニューモデル「SB1691E」「SB1891E」を市場展開している。SBシリーズはトラクタ用インプルメントで、ドカ雪でも強力な投雪と安定した除雪を実現。新機種は操作面や耐久性も向上し、さらに進化している。 新たにラインナップに加わった2機種の適応馬力はSB1691Eが20~30PS、...
面積の集積化と共にトラクタでのほ場間移動が長距離化。九州各地でもトラクタによるほ場間移動の長距離化が進んでおり、走行時に大きな役割を果たすタイヤについて、阿部商会=本社所在地:東京都千代田区神田美土代町3=は、定評ある海外メーカーの農業向けラジアルタイヤを販売。その中からインドのBKT(ビーケーティー)農耕用タイヤを紹介する。 BKTは、"オフ・ハイウェイ・タイヤ"に特化したリーディング・マニュフ...
エムファクトリー=武藤吉喜社長、秋田県横手市=は、水稲用農薬散布ボート「ジライヤ」の普及拡大に力を注いでいる。 「ジライヤ」は、ドローンとは異なり、免許や特別な講習を必要とせず、誰でも直感的に操作できる。ラジコン感覚で扱えるため、高齢の農家や女性の単独作業でも無理なく使用でき、従来の背負式散布と比較して作業時間はおよそ5分の1。10aの圃場であれば、約5分で完了する。 武藤社長は「ジライヤの名は、...
イガラシ機械工業=五十嵐英輝社長、山形県東田川郡三川町大字横山字袖東13―1=は、整地・除雪・運搬・バック作業など幅広い用途に対応するリヤバケット型トラクターショベル「TSシリーズ」を展開している。独自技術を生かし、作業効率と省力化を実現するモデルとして高い評価を得ている。 最大の特長は、同社独自の探土方式「R型プラウ」を採用している点だ。秋の稲刈り後など、ワラが混じる畑でも詰まることなく土を掘り...
近年の気候変動で、今年も「酷暑日」の頻発が予想される中、現場の労働環境改善が急務となっている。この過酷な状況に対して、"草刈り作業からの解放"をミッションに掲げる和同産業=三國卓郎社長、岩手県花巻市実相寺410=は、ロボット草刈機ロボモア「KRONOS(クロノス)」を、5月27~29日まで開催される九州農業WEEKでアピールする。 過酷な草刈り作業を効率化する手段として関心を呼んでいるラジコン草刈...
サタケ=松本和久社長、広島県東広島市西条西本町2―30=のグループ会社、サタケフードビジネス=宮岡慎二社長、広島県東広島市西条町西条東821―1=は、非常食だけでなく日常食としても美味しく食べられる乾燥米飯マジックライス「ななこめっつ」シリーズから、新商品「ちらし寿司」と「カレー」を6月1日から発売する。 マジックライスは、1995年の発売以来非常時や海外旅行の携行食として、多くの人に愛用されてい...
日本農薬の微生物BS資材「クロスバリュー」が、水稲やトマトなど様々な作物の根の発達を促し、生育初期の土台づくりを担う技術として注目されている。「クロスバリュー」の有効成分バチルス菌2種類の微生物は、通常は芽胞と呼ばれる頑丈な構造に包まれて休眠しており、適度な水分下で発芽する。水に溶かして根元に施用すると、活動を開始したバチルス菌が根表面に付着し、膜状のバイオフィルムを形成・拡大し、外部ストレスから...
高温ストレス対策は農業現場の重要課題となっている。こうした中、植物が本来持つ機能を引き出し、環境ストレスの緩和に資する資材として注目されるのがバイオスティミュラントだ。農林水産省のガイドライン策定などを背景に位置付けも整理されつつある一方、現場では「何を、いつ、どう使うか」に悩む声も多い。本稿では、日本バイオスティミュラント協議会企画・広報委員長の鈴木基史氏が、高温対策におけるBSの考え方と活用の...
タイショー=小薗井正美社長、茨城県水戸市元吉田町1027=は、好評のブレンド散布機に、現場の声から生まれた"ちょうどいいサイズ(20PS~)"のトラクターに対応する「ブレンド散布機ライト」BL―210を本年2月から発売したが、受注も非常に順調だ。大規模向け「ブレンド散布機」同様、けいふん・有機ペレットなどの有機肥料から化成肥料まで、幅広い肥料を均一に混合し効率・適正散布ができる。 大規模農業向けの...
石原産業(大久保浩社長、本社:大阪市)が、企業ブランドを刷新し、新たなコーポレートスローガン(タグライン)として「Local Insight,Global Impact」を制定した。中長期目標「Vision 2030」の実現に向けた変革の一環で、今後はグループ各社が共通のブランドの下で価値創出を加速させる。 石原産業は1920年創業の化学メーカーで、世界トップクラスの開発力を持つ農薬事業をはじめ、...
北興化学工業のバイオスティミュラント「エンビタ」は、大気中の窒素を作物が利用可能なアンモニア態窒素として供給する微生物資材だ。大気中からの窒素供給の下支えにより、収量確保や安定生産への貢献を目指している。 エンビタと相性が良い作物としては、アンモニア態窒素を要求するとされる水稲、ムギ、トウモロコシなどのイネ科作物や、レタスなどのキク科作物。特に水稲では、育苗期の灌注や生育期の最高分げつ期までに散布...
三井化学クロップ&ライフソリューション(垣元剛社長、東京都中央区日本橋)はこのほど、全国農業協同組合連合会(JA全農)と共同開発した水稲用除草剤「サイラ(一般名:シクロピリモレート)」およびその混合剤の開発成果により、2026年度日本雑草学会賞(技術賞)を受賞した。 サイラは、プラストキノン生合成経路のホモゲンチジン酸ソラネシルトランスフェラーゼを阻害する新規作用機構の除草剤で、HRACの作用機構...
コベルコ建機=山本明社長、東京都品川区北品川5―5―15=は、約10年ぶりにフルモデルチェンジした20tクラス次世代型油圧ショベル「SK200―14」を今年8月3日より新発売することを発表。それに先駆けて5月15日に東京都江東区の東京国際交流館で記者発表会並びに実機の初披露を実施。製品コンセプトや今後の事業の方向性などについて説明した。 冒頭で山本社長は、「現場で本当にお客様の力になっているか、働...
ハスクバーナ・ゼノア(パウリーン・ニルソン代表取締役)が今年2月18日に開催した「2026年度全国ハスクバーナ・ゼノア会」で、北海道中標津町の山田商会が最優秀拡販賞を含む初の4冠に輝いた。元林業マンの山岸敏幸社長(57歳)が代替わりからわずか数年で遂げた快挙。今後への意気込みと共に4冠達成の秘訣などを伺った。 店に入るとハスクバーナ、ゼノア製品がズラリ。それまで作業場だったスペースをアクセサリや機...
カルイ=山形県山形市鋳物町46―1=は、樹木や竹の処理に困っている農家に向けて、ドラコンシリーズの「KDC―1303B」の提案を強化している。 【KDC―1303Bの主な特長】①粉砕性能=クラス最大投入径140㎜ブロアとスクリーンを標準装備②電子制御送り込みローラとツーステージ・オート・クイック・リバース=作業時の負荷を瞬時に読み取り、自動コントロールするので、無理の無い作業が行える。 また、ツー...
農水省は3月31日、「2025年農林業センサスの概要(確定値)」を公表した。 農業経営体については、前回調査(令和2年)比で22.3パーセント減の83万6000経営体となった。このうち、団体経営体は同4.9パーセント増の4万経営体、特に法人経営体は同10.1パーセント増の3万4000経営体と増加傾向にある。この結果、団体経営体に占める法人経営体の割合は同4.1ポイント上昇し84.1パーセントとなっ...
農水省は2月20日、令和7年産茶の摘採面積、生葉収穫量及び荒茶の生産量(主産県)を公表した。 摘採実面積は対前年産比1300ha(5パーセント)減の2万5400ha。10aあたり生葉収量は同60㎏(5パーセント)上回る1260㎏となった。この結果、生葉収穫量は、前年産並みの31万9500tとなった。なお、10aあたり生葉収量を都道府県別にみると、主産県のうち静岡、熊本は前年並み。
昨年の米づくりはどうだったのか。農水省が令和7年12月12日に公表した作物統計調査から、令和7年産水稲の作付面積や収穫量等を改めて振り返ってみたい。 令和7年産水稲の主食用作付面積は、前年産比10万8000ha増の136万7000ha。これは、新規需要米や備蓄米等からの転換などがあったためである。 また、全国の10a当たり収量(生産者が使用しているふるい目幅1.80㎜~1.90㎜ベース)は、同7㎏...
農水省は2月17日、令和7年産日本なし、ぶどうの栽培面積、結果樹面積、収穫量及び出荷量を公表した。 日本なしは栽培面積が対前年産比280ha(3パーセント)減の9550ha、結果樹面積は同300ha(3パーセント)減の9270ha。10aあたり収量は同10㎏(1パーセント)上回る1810㎏だった。 この結果、収穫量は同4800t(3パーセント)減の16万7900t、出荷量は同4600t(3パーセン...
北海道の陸稲は、昭和46年(1971年)以降、統計上は長らく空白の時代が続いていたが、近年になり挑戦する農家の噂を耳にするようになった。中でも、酪農の町として知られる中標津町で、先駆的にこの試みを続けている農業生産法人があると聞き、現地を訪ねた。同町を拠点とする「希望農場」の佐々木大輔社長(55歳)で、3年目となる今年は面積を7haに拡大する。 現在も600頭の乳牛を擁して酪農を営むが、「酪農は牛...
農林水産省農林水産技術会議は昨年12月、「2025年農業技術10大ニュース」の選定結果を発表した。本紙では、回を分けて紹介している。【温暖化時代の果樹適地予測マップ―持続可能な果樹生産に貢献―】農研機構は、温暖化に対応した果樹の栽培適地予測マップを開発した。 同マップは、温室効果ガス排出量が異なる複数の仮説を基に、今世紀半ば及び今世紀末の適地予測を1㎞メッシュ単位で詳細に提示。温暖化に対応した長期...
農研機構はこのほど、大豆の生育障害(青立ち及び裂皮粒)を予測するAIモデルを開発した。 近年、気候変動に伴う高温や干ばつなどの影響により、大豆の収穫期に見られる「青立ち」や「裂皮粒」といった障害が日本各地で多く報告されている。これらの障害は、気候変動に加えて、気象や土壌、播種時期や品種の違いなど、様々な条件が重なって発生すると考えられている。青立ちにより収穫作業の効率低下や汚粒が発生、裂皮粒により...
暖かな春を迎え、冬眠していたクマも目覚めたようで各地で目撃情報が相次いでいる。クマ被害軽減の鍵の一つは、人の生活圏の至近となる農地が荒廃しクマの住処となることを防ぐこと、すなわち「いかに荒廃農地を減らしていくか」だ。荒廃農地の発生防止・解消は、クマ被害防止以外にも、農業生産面はもとより、多面的機能の発揮など様々な面で重要であり、政府には取組の一層の強化を求めたい。 荒廃農地の現状を農水省の統計でみ...