農水省は3月13日、食料・農業・農村政策審議会企画部会を開催し、令和4年度の食料・農業・農村白書の骨子案を示し、議論を行った。 骨子案によると、今年度の白書は、特集で「食料安全保障の強化」を取り上げている。そのなかでは、コスト高騰に伴う農産物・食品への価格転嫁が課題だと指摘。2022年11~12月の農業者への調査ではコスト高騰分を販売価格に転嫁したとの回答は、45%にとどまっており、農産物の適切な...
令和5年産の米づくりが全国でスタートしている。まだ始まったばかりで今年の見通しはたたないが、豊かな出来秋を迎えられるよう祈りたい。 令和5年産水稲に関しては、農水省が3月15日、水稲の作柄に関する委員会を開催、令和4年産水稲の作柄について共有したほか、令和5年産の10aあたり平年収量を決めた。10aあたり平年収量は、その年の気象の推移や被害の発生状況等を平年並みと仮定した上で実収量の趨勢を基に作成...
農水省は、このほど、農林水産省生物多様性戦略の改定案を検討会に示した。 戦略では、生物多様性保全をより重視した農業生産技術の開発・普及として、「農薬・肥料等による環境負荷を軽減する技術の開発・普及」や「生産力向上と生態系の保全を両立する土づくりや水管理技術の推進」に取り組むこととしている。後者については、土壌診断に基づく土づくりや適正施肥、ペレット堆肥の普及拡大等による農地土壌への有機物の投入を進...
農水省はこのほど、令和4年度に収集した技術的課題(現場ニーズ)を収集、その結果を公表した。令和4年度は全国から467件のニーズが集まった。今回は「みどりの食料システム戦略の実現に貢献する現場ニーズ」という視点でも分類。467件のうち、305件が該当した。全体としては、「栽培」「防除」に対するニーズが多く、有機栽培で利用できる病害虫防除技術や非破壊・非接触による生育や病害虫の発生状況の簡易把握技術な...
農研機構農業機械研究部門(農機研、天羽弘一所長)は3月2日、埼玉県さいたま市のレイボックホールで令和4年度農業機械技術クラスター総会を開催。また、当日は同所で農機研の研究報告会も開かれた。総会ではクラスターでの活動報告が行われ、研究報告会には約100人が参加。「遠隔監視型ロボットトラクタ」など5課題の報告が行われた。 総会では、始めに天羽所長が挨拶。農業機械技術クラスターで開発を進めたりんごの落葉...
JA共済連と農研機構はこのほど、農作業事故を当事者の視点から疑似体験する体験学習型プログラム『農作業事故体験VR』において、新たに「田植機 巻き込まれ・転落編」を共同で開発し、2月から提供を開始する。 農作業事故は年間約7万件発生していると推測され、特に死亡事故の発生割合については、建設業の約2倍、全産業の約9倍と高く、農業者が安心して農業を続けることができるように、農作業事故への対策が喫緊の課題...
第24回全国果樹技術・経営コンクール表彰式(主催:実行委員会)が2月16日、東京都千代田区の法曹会館で行われた。同コンクールは、生産技術や経営方式等において他の模範となる先進的な農業者、生産団体等を表彰し、その成果を広く紹介することにより、わが国果樹農業の発展に資することを目的に平成11年に発足。コロナ禍の影響で3年ぶりの開催となった今回は、農林水産大臣賞4点、農産局長賞6点、関係団体会長賞4点の...
第9回目の食料・農業・農村基本法検証部会が10日に開催され、「備蓄」「食品安全・食品表示」「知的財産」をテーマに意見交換が行われた。 備蓄について、日本では、米、小麦、飼料穀物について備蓄を実施している。不作や不測の事態等に備えて、米100万t程度、小麦90万t程度(2・3カ月分)、飼料穀物100万t程度を備蓄している(大豆は2010年度で廃止)。 また食料生産に重要な役割を果たす肥料では、原料の...
野菜の産出額は2兆2520億円(令和2年)で、農業総産出額の約4分の1、また野菜の産出額のうちトマト、いちご等の10品目で、約6割を占める。野菜はカロリーベースでの食料自給率への寄与率は小さいが、国民の健康維持増進、農業振興の上でも重要だ。一方、生産現場では、機械化一貫体系や加工・業務用への対応強化、また輸出産地の育成も急務となっている。これらの課題について、農水省農産局園芸作物課の今野聡氏が、今...
三井化学アグロは3月31日付で社名を三井化学クロップ&ライフソリューション(MCCLS)に改め、4月1日から新体制でスタートする。【役付執行役員(常勤)、執行役員の異動】▽小澤敏=代表取締役社長執行役員CEO〔情報システム部、安全環境・品質保証部、内部監査室管掌〕(代表取締役社長執行役員)▽垣元剛=取締役副社長執行役員社長補佐、兼CTO〔研究開発本部管掌〕(取締役副社長執行役員〔社長補佐、経営企画...
DJIJAPAN=呉韜社長=はエアロエントリーとの共催で、昨年12月5日の航空法改正によるドローンを利用する際の主な変更点を解説する「ドローンに関する新制度についてのウェビナー」を16日、オンラインで開催した。以下、要旨。 航空法改正では、これまで禁止されていた第三者の上空における目視外飛行(レベル4)を解禁した。また、許可・承認が必要な「特定飛行」のうち、「夜間飛行」や「目視外飛行」などの一部の...
クボタ(北尾裕一社長、大阪市浪速区)は3月17日、4月1日付機構改革と人事異動を発表した。敬称略。カッコ内旧職。【機構改革】《機械事業本部》エンジン事業部にエンジン技術第三部を新設し、エンジン技術第一部の一部機能を移管。《コーポレートスタッフ部門》研究開発本部の知的財産部を廃止し、その機能を以下組織に移管=①知的財産管理部②知的財産戦略部。グローバルICT本部にICT推進第三部を新設し、クボタシス...
ホンダ=三部敏宏社長、東京都港区南青山2―1―1=は、3月15日~17日まで東京ビッグサイトで開催された「第13回国際スマートグリッドEXPO」に出展。さまざまな電動モビリティ/機器の動力源として活用が可能な、1.3kWh以上の大容量電力を貯蔵する着脱式可搬リチウムイオンバッテリー「Honda Mobile Power Pack e:(モバイルパワーパックe)」を出展し、活用事例を紹介した。 農...
東京農業大学は3月17日、厚木キャンパスで農学部の学生が企画した新しい農大つなぎ「アグリデニム」お披露目会を実施した。会場には大学関係者や来賓、報道関係者など30名程が集まった。 開会にあたり、上岡副学長は「学生が普段からこんなところが良くなったらいいのにという思いをエスケー・プロダクトさんに形にしてもらい、社会実装まで繋げていただいたことを非常にありがたく思う」と挨拶した。 また、アグリデニムを...
レンタルのニッケン=南岡正剛社長、東京都千代田区永田町2―14―2=は3月22日、6月30日付で南岡正剛代表取締役社長が退任し、後任に現在エム・エス・ケー農業機械㈱代表取締役社長の齊藤良幸氏が就任すると発表した。【齊藤良幸(さいとう よしゆき)氏の略歴】▽1992年4月三菱商事㈱入社▽2019年3月IST Farm Machinery代表取締役社長▽2020年7月エム・エス・ケー農業機械㈱代表取締...
クボタ=北尾裕一社長、大阪市=は3月22日、北海道ボールパークFビレッジ内の『クボタアグリフロント』竣工式を執り行った。神事には上野正三・北広島市長、㈱ファイターズスポーツ&エンターテイメントの前沢賢・取締役事業統括本部長、北海道大学大学院農学研究院の野口伸・副研究院長、クボタの習田勝之・KESG推進部長が出席。建物の完成を祝い、今後の事業の成功を祈願した。 新球場「エスコンフィールドHOKKAI...
目次 国土強靭化を加速 重点的・集中的対策推進 非常用電源導入等 停電時の被害防止を支援 自然災害に備え 高まる発電機への期待 国土強靭化を加速 重点的・集中的対策推進 災害列島と呼ばれるわが国において、激甚化する災害から生命・財産を守るためには、公助だけではなく、自らが備える自助も重要となってくる。公助としては、防災・減災に資する国土強靭化基本法に基づき、平成26年6月に国の他の計画等の指針とな...
兵庫県加古川市の「城山ゴルフ俱楽部」でコースの芝や砂などを管理する責任者、グリーンキーパーを務める黒橋寿生さん(59)はほぼ毎日、管理する55万㎡のコースの隅々に目配りし、〈最高のコンディション〉を追求している。芝草という日々変化する生き物に向き合う妥協なき姿勢に寄り添い続けてきたのが、共栄社(愛知県豊川市)のバロネスの機械だ。 ゴルフ場の朝は早い。黒橋さんたちは、ゲストの来場前の朝6時半から業務...
わが国は化学肥料原料のほとんどを輸入に依存しており、肥料価格は国際的な価格動向の影響を受けやすい構造となっている。近年、肥料価格は横ばいで推移していたが、世界的な食料需要の増大、原油価格の上昇に伴う輸送コストの増加等から上昇。農業経営の圧迫が懸念されている。 そのようななか、岩手県は令和4年1月、これまでに開発された肥料コスト低減に関する技術を「岩手県肥料コスト低減技術マニュアル」として取りまとめ...
ヤマガタデザインアグリ=山中大介社長、山形県鶴岡市=はこのほど、土壌改良材(土壌改良資材入り指定混合肥料)の「YFFプレミアム1号」と汚泥肥料の「ウルトラ・エックスYP(登録番号:生第107883号)」の2つを、同社初となる農業用資材として開発し、販売を開始した。 YFFプレミアム1号は、県内のきのこ廃菌床をベースに、昨年、連携協定を締結し、資材開発で連携するバイオシードテクノロジーズ=広瀬陽一郎...
アグロカネショウは、同社の主力製品であるバスアミド微粒剤、D―Dなど土壌消毒剤用の被覆シート「KSB148」を開発し、4月から販売開始する。シートは紙の素材で、土壌消毒後にすき込むことができ、被覆除去や廃棄作業を省力化できる。またガスバリア性があり、有効成分を土壌中に留めるという画期的なもの。環境に配慮した農業が求められる中、環境問題と労力軽減につながることが期待されている。同社は3月23日、ホテ...
デンカ=東京都日本橋室町2―1―1=は、腐植酸苦土肥料「アヅミン」の製造・販売メーカー。腐食酸を液肥にした液状複合肥料「アヅ・リキッド413」は、作物の活性を高めるバイオスティミュラント資材として農家などから期待を集めている。 「アヅ・リキッド413」の成分は、保証成分が窒素全量4.0%、水溶性りん酸1.0%、水溶性加里3.0%、含有成分が腐植酸4.0%。 腐植酸は、土壌や堆肥に含まれる黒色の有機...
案内されたのは福島県浜通り地方の皆伐現場。伐採が終わりさっぱりした現場は爽快な気持ちにさせる。この現場の班長を務めたのが今回の主人公・野崎守さん(33歳)。「皆伐は伐って出しての繰り返しで時間と量の勝負。やり終えた後の達成感はたまらないですね」と語った。 野崎さんが勤めるサンライフ=水野喜文社長、福島県石川郡古殿町大字松川字陣場7=のある古殿町近隣は昔から林業が盛んな地域で、今も基幹産業として多く...
諸岡(諸岡正美代表取締役CEO)は、2月7日~10日、阿見町の同社試験開発・デモセンター(AMIデモセンター)で2年ぶりに新製品発表会を開催した。発表したのは8mリーチのグラップルローダ搭載フォワーダ、タブグラインダー式木材破砕機2機種、電子制御化した新型キャリアダンプ4機種。破砕実演や試乗体験を行い、進化した能力を披露した。 諸岡=茨城県龍ケ崎市庄兵衛新田町358=は昨年12月にサプライヤー企業...
茨城県はこのほど、令和5年の育樹祭の日程の詳細を決定、併催行事の森林・林業・環境機械展示実演会については、11月12日㈰・13日㈪の2日間、茨城県ひたちなか市の茨城県笠松運動公園で開催されることを明らかにした。そのほか、育樹祭と関連行事の日程は次の通り。【育樹祭】▽お手入れ行事=11月11日(茨城県水郷県民の森(潮来市))▽式典行事=11月12日(アダストリアみとアリーナ(水戸市))。【併催・記念...
農水省は2月28日、令和3年の農用地区域内の農地面積について、取りまとめた。令和3年の農用地区域内の農地面積(令和3年12月31日現在)は、対前年比0・6万ha(0・2%)減の399万haとなった。これは農用地区域への編入、荒廃農地の解消等により1・5万ha増加した一方、農地転用等による農用地区域からの除外、荒廃農地の発生等により2・2万ha減少したことによる。 なお、農水省では、「農用地...
農水省は2月7日、令和4年産かんしょの作付面積及び収穫量を公表した。 全国の作付面積は前年産並みの3万2300haとなった。また、10aあたり収量は対前年産比6%上回る2200㎏だった。これは概ね天候に恵まれ、いもの肥大が順調に進んだことや、鹿児島、宮崎でサツマイモ基腐病の被害が抵抗性品種への切り替えや防除対策により減少したことによる。なお、10aあたり平均収量対比は100%。 この結果、全国の...
農水省は1月31日、令和4年産米の農産物検査結果(令和4年12月31日現在、速報値)を明らかにした。 検査数量は、水稲うるち玄米は387万8900tで11月30日現在と比べ17万4500t増加。また、水稲もち玄米は18万3000tで同1万3100t、醸造用玄米は7万3400tで同3100t増加している。なお、水稲うるち玄米の検査数量には、4年産から実施された機械鑑定による200tを含み、3年産の検...
農水省は、このほど食料・農業・農村政策審議会食糧部会経営所得安定対策小委員会に畑作物の直接支払交付金(ゲタ対策)数量単価の改定案を提出、了承された。 ゲタ対策は、平成19年からスタートし、3年ごとに単価を改定している。今回の改定は令和5年から3カ年のもの。 今回示された交付単価案では、小麦については現行6710円を免税事業者向けは6340円、課税事業者向けが5930円とそれぞれ370円、780円の...
3月20日に行われた黒石市のオーガニックビレッジ宣言に、くろいし有機農業推進協議会の会長として佐藤拓郎氏が出席していた。 佐藤氏は青森県黒石市の米農家の6代目。2017年に父の経営から水稲部門を独立させ㈱アグリーンハートを立ち上げた。大豆は有機に転換しやすく、利益も上げやすいという理由から、大豆30ha、トータル40haで有機栽培を軸に経営。スマート農業にも先進的に取組んでいる。1981年生ま...
農研機構は、このほど高度な病虫害抵抗性を有するダイズ品種「リョウユウ」を育成した。 国産大豆に対しては高い需要があるものの、地力低下や病害虫等による影響のため、生産が安定せず単収が低迷している産地もあり、増産の期待に応えられていない。特に東北地域では、ダイズシストセンチュウが重要な病害虫となっており、東北地域での高品質なダイズの安定生産を実現するためには、同センチュウへの抵抗性品種の育成が必要とな...
案内されたのは福島県浜通り地方の皆伐現場。伐採が終わりさっぱりした現場は爽快な気持ちにさせる。この現場の班長を務めたのが今回の主人公・野崎守さん(33歳)。「皆伐は伐って出しての繰り返しで時間と量の勝負。やり終えた後の達成感はたまらないですね」と語った。 野崎さんが勤めるサンライフ=水野喜文社長、福島県石川郡古殿町大字松川字陣場7=のある古殿町近隣は昔から林業が盛んな地域で、今も基幹産業として多く...
土壌病害を予防管理する手法として農研機構が2012年に開発した「ヘソディム」は、2014年と2016年にマニュアルが作成され、三重県、富山県、群馬県、長野県、静岡県内などの産地や生産圃場で取り組みが行われている。そして昨年4月、AI診断アプリ「HeSo+(ヘソプラス)」がリリースされ、指導員(県普及員やヘソディム指導員)などを中心に活用が始まっている。また指導員だけでなく、生産者も購入しており、収...