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【黒腐菌核病の克服事例】微生物土壌活性剤『納豆菌の力』がネギ農家を救った──茨城県坂東市での成功体験

【黒腐菌核病の克服事例】微生物土壌活性剤『納豆菌の力』がネギ農家を救った──茨城県坂東市での成功体験

一度の散布で作物の生育環境を根本から改善できると注目されている微生物土壌活性剤『納豆菌の力』。近年、この納豆菌由来の土壌改良資材を導入する農業生産者が全国で増加している。

茨城県坂東市でネギを栽培する符盛(フー・セイ)氏(53歳)もその一人だ。符盛氏は、過去3年間にわたり黒腐菌核病による被害で全滅を繰り返し、まさに壊滅的な状況にあった。

しかし2024年、微生物土壌活性剤『納豆菌の力』を導入したことで土壌環境が劇的に改善。これまで全く収穫できなかった畑で、ほぼ100%の収穫を実現するに至った。

「土壌の状態が明らかに変わった。まさに根本的な解決策だった」と符盛氏は語る。

本記事では、『納豆菌の力』の微生物効果と、黒腐菌核病対策としての有効性について、符盛氏の体験をもとに詳しく解説する。ネギ栽培の病害対策土壌改良に悩む農家にとって、有益な情報となるだろう。


符さんは2018年から本格的に長ネギ作りの道に足を踏み入れた。土作りにこだわり現在の経営規模は約8haで10種類以上の品種を生産。「月の収穫量は5tまで増え、ようやく軌道に乗せることができた」と、1haに満たない面積から始めたが、今では10名の従業員を雇うまでに成長させている 。そんな符さんだが実は農業経験が皆無で、ここに至るまでには多くの失敗を経験したとのこと。中でも苦しめたのは土壌病害「黒腐菌核病(くろぐされきんかくびょう)」で、始めた3年は全滅という壊滅的な被害に見舞われたそうだ。

黒腐菌核病は、長ネギの株元や葉鞘に黒い菌核を形成し、最終的には根部を腐敗させ株全体を枯死させる。一度発生すると土壌中で病原菌が残り続け、連作により被害が拡大し、根絶が極めて困難な病気として知られている。符さんの畑もこの病気に蝕まれ続け、収穫期を迎えることなく腐り落ちていく悪夢のような状況を呆然と見守るしかなかったという。「あの頃は本当に辛かった。いくら対策を講じても病気が止まらず、精神的にも追い詰められていた」と振り返る。なんとか改善させたいと思っていたが土のために土壌消毒には頼らずさまざまなことを試したが根本的な解決には至らず、そんな藁にもすがる思いだった時に深谷市の小池勝治郎商店の催事で微生物土壌活性剤の『納豆菌の力』を薦められた。使ってみると苦しめ続けてきた黒腐菌核病の被害は激減。収穫率100%を達成するまでになった。「まず病気の発生自体が目に見えて減ったんです。以前はあちらこちらで株が枯れていたのに、それがほとんどなくなった」と述べ、もう一つの大敵である軟腐病で近隣の畑が全滅しても影響がなくなったという 。


『納豆菌の力』は、有益な微生物バシラス菌(納豆菌)を厳選・ブレンドした微生物土壌活性剤。符さんは緑肥を鋤き込む際に混ぜて散布している。「最も変わったのは根張り。以前に比べて根が太く広がっているのが確認できます。根の生育の良さは収量アップに繋がり、3.5tが月平均と言われる中、5t収穫できるようになりました。理想とする190gのLサイズでの出荷も増え、毎月収入も百万円単位で上がりました」と語った。卸先の評判も上がり、「あるラーメン店からは符さんのネギ以外は取りたくないと言ってもらえるようになった」と嬉しそうに話して効果を強調。こだわり続けてきた土作り面にも効果が現れ、「硬かった土が、柔らかくなり水はけも良くなった。土の団粒構造が促進され、ネギが元気に育つようになりました」と土壌の変化を肌で感じたそうで、「『ネギが笑っている』ように見えて、ネギ作りが本当に楽しくなりました」と言葉を弾ませた。

 

符さんのほ場を見せてもらった。抜き取ってみると太さがゴルフボール直径大に育った立派な長ネギには根がびっしり生えていて、ネギ特有のツンとした香りを発していた。「この資材は私にとってなくてはならないものになりました。もう黒腐菌核病に悩まされることはないという安心感は計り知れません」と、その効果を高く評価。チャンスがあれば面積も拡大したいと意気込みを示した。そして、「連作障害や土壌病害に悩んでいる農家さんには、ぜひ一度試してみてほしい。目先の効果だけでなく、長期的に見て土壌が健全になり、結果的に生産コスト削減や収益向上に繋がることを実感できるはず。何より病気の不安から解放されることが、どれだけ精神的に楽になるかを実感できます」と述べた 。

【納豆菌の力】エーピー・コーポレーション=斎藤太一社長、東京都荒川区西日暮里6―13―13=が普及に力を入れている微生物土壌活性剤。主な効果は①短期間で微生物バランスを整え、連作障害を改善②根の成長を促進し、収量アップに貢献③作付け1回散布・多くの農薬との混用可能と少ない手間で病原菌の広がりを抑制。特定の品目に限定されず、様々な品目で使え、北海道を中心に全国的に広がり始めている。

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