今年の夏も熱中症に要警戒
全国で急激に暖かくなった。気象庁によると、今年の夏も暑くなる見込みが示されている。そうしたなかで改めて注意を促したいのが熱中症対策だ。厚労省では、「全事業者」を対象として、熱中症対策を義務付けする方向で労働安全衛生規則の改正案が答申されており、6月から施行される見込みだ。農水省によると、令和5年の農作業中の死亡事故のうち、37人が熱中症によるもの。近年増加傾向で推移しており、熱中症の被害をいかに減らしていくかも農作業安全の重大なポイントの一つとなっている。熱中症対策としては、様々な製品も上市されている。そうした製品を上手く活用し、今年の熱中症事故が少しでも減少に転じることを願いたい。
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先日開催された日本農業機械化協会主催の令和6年度農作業事故防止中央推進会議(本誌一部既報)は、「農作業での熱中症を防ぐには」がテーマとなっていた。このうち、帝京大学医学部附属病院高度救命救急センター副センター長の神田潤氏は、2024年の全国の熱中症搬送者が9万7548人に上り、死亡者も毎年1000人を超える状況が続いている、としたうえで改善傾向になく、重症例への対応が喫緊の課題だと指摘。そのうえで、早期発見・早期搬送が重要だとした。
また、労働者健康安全機構労働安全衛生総合研究所化学物質情報管理研究センターばく露評価研究部長の齊藤宏之氏は、産業全体で見たとき、熱中症死亡災害の大半は小規模事業場で発生していると統計を示しながら説明。小規模事業所、小規模現場における対策が必要であり、農業の多くは「小規模」のため、それ故のリスクが存在すると指摘。「熱中症防止対策として「休憩所の整備」が重要だが、小規模現場、農作業等では休憩所を設置することが難しい。その際には、最低でも日差しを遮るスペースに加え、横になれるベンチや扇風機、ミスト付き扇風機、水分・塩分を補給できるウォータージャグ等を設置することが有用。また、テント型の簡易休憩所にミストファンを組み合わせることで安価で有効性の高い休憩所ができる」とした。
また、会議では熱中症対策製品について、協会で実施したファン付作業服、冷却ベスト、チタンハットなどのモニター調査(本紙一部既報)の結果が紹介された。昨年度からスタートしたもので、まだ十分なデータが積み上がっているとは言い難いが、農業現場でのデータ、意見が積み上がることでより効果の高い対策が可能となる。今後に期待したい。
いずれにせよ、雇用者の責任において、これらの単一の対策ではなく、複数の対策をそれぞれが置かれている状況に合わせて選択し実行することが大切だ。
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先日開催された日本農業機械化協会主催の令和6年度農作業事故防止中央推進会議(本誌一部既報)は、「農作業での熱中症を防ぐには」がテーマとなっていた。このうち、帝京大学医学部附属病院高度救命救急センター副センター長の神田潤氏は、2024年の全国の熱中症搬送者が9万7548人に上り、死亡者も毎年1000人を超える状況が続いている、としたうえで改善傾向になく、重症例への対応が喫緊の課題だと指摘。そのうえで、早期発見・早期搬送が重要だとした。
また、労働者健康安全機構労働安全衛生総合研究所化学物質情報管理研究センターばく露評価研究部長の齊藤宏之氏は、産業全体で見たとき、熱中症死亡災害の大半は小規模事業場で発生していると統計を示しながら説明。小規模事業所、小規模現場における対策が必要であり、農業の多くは「小規模」のため、それ故のリスクが存在すると指摘。「熱中症防止対策として「休憩所の整備」が重要だが、小規模現場、農作業等では休憩所を設置することが難しい。その際には、最低でも日差しを遮るスペースに加え、横になれるベンチや扇風機、ミスト付き扇風機、水分・塩分を補給できるウォータージャグ等を設置することが有用。また、テント型の簡易休憩所にミストファンを組み合わせることで安価で有効性の高い休憩所ができる」とした。
また、会議では熱中症対策製品について、協会で実施したファン付作業服、冷却ベスト、チタンハットなどのモニター調査(本紙一部既報)の結果が紹介された。昨年度からスタートしたもので、まだ十分なデータが積み上がっているとは言い難いが、農業現場でのデータ、意見が積み上がることでより効果の高い対策が可能となる。今後に期待したい。
いずれにせよ、雇用者の責任において、これらの単一の対策ではなく、複数の対策をそれぞれが置かれている状況に合わせて選択し実行することが大切だ。