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ロボット農機の公道走行実現に向けた規制改革の方向性 

 ロボット農機の公道走行実現に向けた規制改革の方向性がまとまった。政府が5月28日に開催した第23回規制改革推進会議で取りまとめた「規制改革推進に関する答申」に盛り込まれたもの。答申では、既に措置されている道路運送車両法上の位置づけ創設に加え、道路交通法による「特定自動運行」の対象となる旨を通知などで明確化。加えて、警察庁に対し農家等が地域でロボット農機を最小限の負担で円滑に活用できる制度の運用を確保することなどを求めている。

  このほど明らかになった「規制改革推進に関する答申」は、「地方創生」「賃金向上・人手不足対応」「投資大国」「防災・減災」の4つの柱を軸に取りまとめられている。
 このうち、ロボット農機の公道走行については、「地方創生」の項目で「ロボット農機の公道走行制度化(ほ場間移動などを通じた地域での活用)」として盛り込まれている。
 基本的な考え方としては、ロボット農機(ロボット技術を組み込んで製造され、農作業に用いることを目的に使用者が遠隔監視しながら無人で自動走行する車両系の農業機械)の早期の社会実装のため、現在ほ場内に限って走行が可能となっているロボット農機について、農道や公道でも走行を可能とする必要がある、と指摘。その実現に向けて講じるべき具体的な措置として次の項目を挙げている。
 1つ目は国交省において、ロボット農機の公道走行が可能となるよう、必要に応じて関係事業者等にヒアリングを行った上で、「自動運行装置を備える自動車」として、大型特殊自動車および小型特殊自動車を追加する旨の「道路運送車両の保安基準」改正などの措置(実施済み)。
 2つ目は警察庁の対応。「自動運転の公道実証実験に係る道路使用許可基準」の改訂などにより、警察署長の道路使用許可を得れば公道実証実験が可能であることを関係者に周知するとともに、農業の生産性向上の要請にも最大限配慮しつつ、交通の安全と円滑を両立する公道実証実験が可能となるよう適切な道路使用許可の運用を都道府県警察に指導するよう求めた(措置済み)。
 3つ目は警察庁に対し、ロボット農機が自動車に該当する場合には、「道路運送車両の保安基準」改正などを前提に、都道府県公安委員会の「特定自動運行」の許可を得て、また、遠隔操作型小型車に該当する場合には、都道府県公安委員会への届け出を行うことで、ほ場間移動や格納庫からほ場までの公道走行が可能であることを明確化する(令和7年度措置)。加えて、農業の生産性向上の要請にも配慮した制度運用の観点から、ほ場間移動については、交通量が極めて少ないことが一般的な農道の短時間での横断にとどまる場合があることを踏まえ、農家等がロボット農機を最小限の負担で円滑に活用できる制度の運用を確保する(令和8年上期措置)、ことを求めている。

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