水稲の高温耐性品種、作付面積が10年で2.5倍に拡大―農水省「令和6年地球温暖化影響調査レポート」より
農林水産省が公表した「令和6年地球温暖化影響調査レポート」によると、水稲の高温耐性品種の作付面積がこの10年間で約2.5倍に増加したことが明らかになった。
令和6年産では、高温耐性品種の作付面積が20万6,000ヘクタールに達し、主食用米全体の16.4%を占めるまでに拡大している。
こうした背景には、地球温暖化の進行による気温上昇と、それに伴う水稲の高温障害リスクの増大がある。高温耐性品種の普及は、安定した米の品質・収量を確保するための重要な取り組みとされている。
一方で、令和6年産の水稲では、高温傾向が続いた影響で白未熟粒の発生が西日本を中心に確認されたほか、カメムシなどの虫害被害も各地で報告されている。
今後は、高温耐性品種のさらなる普及とともに、害虫対策や気候変動への適応技術の強化が求められている。