令和7年産主食用米作付けの大幅増加傾向
令和7年産主食用米作付けの大幅増加
令和7年産の主食用米の作付け面積が大幅に増加する見込みであることが、農林水産省の「水田における作付意向(令和7年産第2回中間的取組状況)」から明らかになった。主食用米の作付け面積は前年産に比べて5万8,000ha増の131万7,000haに達し、過去5年間で最大の増加を記録する見込みである。
令和7年産米の備蓄米の影響と総作付け面積
さらに、令和7年産の米については、備蓄米買入入札の中止が決定されたため、備蓄米の作付け面積が1万7,000ha(前年産比1万3,000ha減)となり、総作付け面積は133万4,000haとなる見込みである。この数字は、過去5年間で最大、かつ2年連続の増加となる。主食用米の作付け面積と合わせて、増加は同7万5,000haに達し、特に注目すべき結果である。
主食用米の生産量の見通し
主食用米の生産量について、平年単収(10aあたり539kg)で計算すると、生産量は719万トンとなる見込みである。これも過去5年で最大の生産量となり、増加の幅も、主食用米の生産量調査開始以来最大となる見込みである。この増加傾向は、米の需要の増加や、農家の作付け意欲の高まりを示している。
主食用米作付け意向の都道府県別動向
主食用米の作付け意向を都道府県別に見ると、増加傾向を示しているのは34県、前年並みの11県、減少傾向にあるのは2県である。この結果からも、主食用米の作付け面積が全国的に増加していることが分かる。
戦略作物の作付け意向
戦略作物の作付け意向については、次のような傾向が見られる:
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加工用米:6,000ha減の4万4,000ha(増加11県、減少29県)
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新市場開拓用米(輸出用米等):前年並みの1万1,000ha(増加10県、減少23県)
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米粉用米:1,000ha減の5,000ha(増加8県、減少33県)
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飼料用米:3万2,000ha減の6万7,000ha(減少傾向43県)
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WCS用稲:3,000ha減の5万3,000ha(減少37県)
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麦:6,000ha減の9万7,000ha(増加14県、減少24県)
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大豆:6,000ha減の7万8,000ha(増加4県、減少37県)
この結果、新市場開拓用米を除き、ほとんどの戦略作物は作付け面積が減少傾向にあり、特に飼料用米やWCS用稲は大幅に減少した。
まとめ:主食用米作付けと戦略作物の動向
令和7年産の主食用米の作付けは前年に比べて大きく増加し、過去5年間で最大の作付け面積が見込まれる。一方で、戦略作物においては、主に加工用米や飼料用米の減少が目立ち、新市場開拓用米が唯一、前年並みを維持している。これらの結果は、米の供給と需要動向に大きな影響を与えることが予想され、今後の米市場に注目が集まる。