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茶畑でバイオ炭活用 炭素貯留の実証試験開始 農研機構

中部電力、JA遠州夢咲および農研機構の3者は、7月12日から静岡のJA遠州夢咲の生産茶園で、バイオ炭を活用した土壌の炭素貯留に関する実証試験を開始した。
 農作物の栽培管理や収穫の過程では、枝葉やもみ殻などの植物性廃棄物が発生する。これらは、農地の敷き材等として有効利用される他は、土壌に混ぜられ処分されることが一般的であり、土中の微生物に分解されることで、生育中に吸収していた二酸化炭素が大気中に放出される。
 一方で、こうした植物性廃棄物はバイオ炭と呼ばれる炭化状態にすることで、土壌に混ぜ合わせても微生物に分解されにくくなり、炭素が長期間貯留され、二酸化炭素の放出が抑制される。また、バイオ炭は、多孔質構造で内部に多量の空気を含有するため農地土壌の環境を改良する効果もあり、以前から農作物の生産に利用されてきた。
 3者は、こうした特性に着目し、2022年7月から2025年9月の間、生産茶園2地点(菊川市、御前崎市)の土壌に、もみ殻由来のバイオ炭を混ぜ合わせ、二酸化炭素の排出削減効果を評価するとともに、茶葉の品質向上効果を実証する。
 今回の実証を通じ、地域農業における脱炭素化と農業生産性向上の両立を目指していく。
 なお、バイオ炭とは植物性廃棄物等を蒸し焼きにして炭化させたもの。

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