農林業機械・農薬・資材についての動向を紹介する

受付時間 平日9:30~17:00

TEL 03-3831-5281

毎週 火曜日発行
 >  > 農研機構 茶園除草機を開発 手取作業を大幅に省力化

農研機構 茶園除草機を開発 手取作業を大幅に省力化

農研機構 茶園除草機を開発 手取作業を大幅に省力化

 開発した茶園除草機

 

農研機構は、寺田製作所、静岡県農林技術研究所と共同で、茶園における除草作業の大幅な省力化に貢献する新しい茶園除草機を開発したことを明らかにした。
 近年、有機栽培や農薬使用量の少ない茶栽培に対する消費者のニーズが高まっており、生産者からも農薬使用量を削減する防除技術の開発に強い要望がある。しかしながら、除草剤を散布しない手取り除草は非常に多くの労力が必要。更に、手取り除草を行う雇用労働力の確保も困難になってきていることから、産地の維持・発展のために除草作業の機械化が急務となっている。
 開発機は、①うね間除草機構②樹冠下・雨落ち部除草機構―の2種類の除草機構を持つアタッチメント式の茶園除草機。①のうね間除草機構は、乗用型茶園管理機から動力を得て油圧モータを用いて除草爪を回転させるタイプとなっている。
 ②の樹冠下・雨落ち部除草機構は、樹冠下や雨落ち部に除草刃が入り込み雑草をかきとる構造。樹冠下・雨落ち部を除草する際に茶樹を傷める恐れがあることから、この除草機構は、茶樹に強く当たった場合は、内側に縮むような機能を有している。この2種類の除草機構は乗用型管理機の走行部の後方に装着する構造で、茶うねの両側を同時に除草する。
 この開発機を用いた現地試験の結果、開発機のみで除草できた割合は平均83%。また、開発機による除草時間と開発機で除草しきれなかった雑草を手取り除草した時間を合わせても、慣行の手取り除草に比べて、除草時間を50%以上削減できることを確認した。
 開発機は2023年12月から寺田製作所で販売されている。この開発機の普及により、茶園の除草作業の機械化が促進され、茶園作業の大幅な省力化が期待される。

関連記事

農研機構 データ連携更に加速 農機API利活用コンソ設立

農研機構 高精度な生育予測へ 光合成速度の推定法開発

農研機構 高精度な生育予測へ 光合成速度の推定法開発

メロン4品種育成 世界初、退緑黄化病に抵抗性 

メロン4品種育成 世界初、退緑黄化病に抵抗性 

農研機構 有機の大豆拡大へ 関東向け標準作業手順書

農研機構 有機の大豆拡大へ 関東向け標準作業手順書