新世界目標踏まえ 生物多様性戦略を改定へ 農水省
農水省はこのほど、「農林水産省生物多様性戦略改定に向けたこれまでの議論の整理」を取りまとめた。生物多様性をめぐっては、生物多様性条約の下、新たな世界目標である「ポスト2020生物多様性枠組」が議論されている。同枠組は、本年開催予定の生物多様性条約COP15で採択される見込み。この採択を踏まえ次期生物多様性国家戦略の策定が予定されている。農水省では、令和2年8月に「新農林水産省生物多様性戦略検討会」を設置し、改定に向けた議論を行ってきた。
農水省では、平成19年に農林水産省生物多様性戦略を策定(平成24年2月改定)し、生物多様性をより重視した持続可能な農林水産業やそれを支える農山漁村の活性化を推進してきた。
そのうえで、「新農林水産省生物多様性戦略検討会」(座長:涌井史郎東京都市大学特別教授)を設置し、国内外の議論や「みどりの食料システム戦略」(以下、みどり戦略)等を踏まえ、戦略改定に向けて議論。今後、「ポスト2020生物多様性枠組」を踏まえ、戦略を改定する。
戦略見直しのポイントは、みどり戦略、食料・農業・農村基本計画等と整合性をとり、関連施策を一体的に実施するよう、サプライチェーン全体で取組み、農林漁業者の理解や消費者の行動変容を促すこと等を記載。
戦略の主な内容は、①地球環境保全②農業③森林・林業④野生生物の被害防止⑤資源循環の構築⑥農林水産空間の保全・利用推進⑦遺伝資源の保全―などとなっている。
そのうえで、2030ビジョンとして、「農山漁村が育む自然の恵みを生かし、環境と経済がともに循環・向上する社会」を実現する。
具体的には、②の農業においては、2050年までに化学農薬使用量(リスク換算)の50%低減を目指すため、スマート防除技術体系の活用などを推進。また、2050年までに輸入原料や化石燃料を原料とした化学肥料の使用量の30%低減を目指すため、有機物の循環利用などを進める。
更に、有機農業や冬期湛水管理など、生物多様性保全等に効果の高い営農活動に取組む農業者の組織する団体等に対して支援を実施する。
このほか、スマート農業技術を活用した減農薬・減肥料や再生可能エネルギーの活用など、環境保全に焦点を当てたスマート農業技術の開発等を推進するとともに、地域の実態に合った総合的な病害虫・雑草管理による防除体系の実証や環境保全型農業への支援など、農業者に対する生物多様性保全の視点に立った栽培技術の確立・普及等の支援を行う。
③の森林・林業においては、全ての森林は多種多様な生物の生息・生育の場として生物多様性の保全に寄与していることを踏まえ、森林の現況や自然条件に応じた間伐の実施はもとより、広葉樹林化、長伐期化、針広混交林化等による多様な森林づくりを進めるほか、伐採後の確実な再造林実施等適切な森林整備を推進する。
農水省では、平成19年に農林水産省生物多様性戦略を策定(平成24年2月改定)し、生物多様性をより重視した持続可能な農林水産業やそれを支える農山漁村の活性化を推進してきた。
そのうえで、「新農林水産省生物多様性戦略検討会」(座長:涌井史郎東京都市大学特別教授)を設置し、国内外の議論や「みどりの食料システム戦略」(以下、みどり戦略)等を踏まえ、戦略改定に向けて議論。今後、「ポスト2020生物多様性枠組」を踏まえ、戦略を改定する。
戦略見直しのポイントは、みどり戦略、食料・農業・農村基本計画等と整合性をとり、関連施策を一体的に実施するよう、サプライチェーン全体で取組み、農林漁業者の理解や消費者の行動変容を促すこと等を記載。
戦略の主な内容は、①地球環境保全②農業③森林・林業④野生生物の被害防止⑤資源循環の構築⑥農林水産空間の保全・利用推進⑦遺伝資源の保全―などとなっている。
そのうえで、2030ビジョンとして、「農山漁村が育む自然の恵みを生かし、環境と経済がともに循環・向上する社会」を実現する。
具体的には、②の農業においては、2050年までに化学農薬使用量(リスク換算)の50%低減を目指すため、スマート防除技術体系の活用などを推進。また、2050年までに輸入原料や化石燃料を原料とした化学肥料の使用量の30%低減を目指すため、有機物の循環利用などを進める。
更に、有機農業や冬期湛水管理など、生物多様性保全等に効果の高い営農活動に取組む農業者の組織する団体等に対して支援を実施する。
このほか、スマート農業技術を活用した減農薬・減肥料や再生可能エネルギーの活用など、環境保全に焦点を当てたスマート農業技術の開発等を推進するとともに、地域の実態に合った総合的な病害虫・雑草管理による防除体系の実証や環境保全型農業への支援など、農業者に対する生物多様性保全の視点に立った栽培技術の確立・普及等の支援を行う。
③の森林・林業においては、全ての森林は多種多様な生物の生息・生育の場として生物多様性の保全に寄与していることを踏まえ、森林の現況や自然条件に応じた間伐の実施はもとより、広葉樹林化、長伐期化、針広混交林化等による多様な森林づくりを進めるほか、伐採後の確実な再造林実施等適切な森林整備を推進する。