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放牧等粗放的利用など新たな農村施策の方向性 農水省、農地維持へ仕組み作り

放牧等粗放的利用など新たな農村施策の方向性 農水省、農地維持へ仕組み作り
農水省は、このほど新しい農村施策及び長期的な土地利用の在り方に関する検討会を開催、これまでの検討の結果をまとめた「地方への人の流れを加速させ持続的低密度社会を実現するための新しい農村政策の構築」を公表した。取りまとめのなかでは今後維持が難しくなる農地については、放牧や景観作物など粗放的な利用を、それが難しい場合、鳥獣緩衝帯など農業生産の再開が容易な利用、それも難しい場合、計画的な植林を行うなど持続可能な土地利用の在り方等を示している。

 令和2年3月に閣議決定された「食料・農業・農村基本計画」では農村の持つ多面的機能を活かしながら、農村を次の世代に継承していくために「しごと」「くらし」「活力」の3つを柱として関係府省、地方自治体、事業者が連携して施策をフル活用し、一体的に講じる「地域政策の総合化」を推進することとしている。この基本計画のもとで施策を具体化するため、農水省では、令和2年4月に「新しい農村政策の在り方に関する検討会」「長期的な土地利用の在り方に関する検討会」をスタート。これまでに前者は12回、後者は10回の会合を開き議論を実施。このほど「地方への人の流れを加速化させ持続的低密度社会を実現するための新しい農村政策の構築」として議論の結果をまとめた。
 取りまとめではしごとづくりの施策(農村における所得の向上と雇用機会の確保)として、農山漁村発イノベーション、くらしの施策(中山間地域等をはじめ農村に人が住み続けるための条件整備)として農村型地域運営組織(農村RMO)、土地利用の施策(人口減少社会における長期的な土地利用の在り方)として持続可能な土地利用、活力づくりの施策(農村を支える新たな動きや活力の創出)として、地域づくり人材や広域的なサポート体制の構築―を中心に具体的な施策の方向性をまとめている。
 このうち、土地利用の施策では、土地利用の方向性として4つの段階を設定。①集積・集約化、基盤整備、スマート農業の実装など最大限の政策努力を払い維持・向上に取組む②これまでと同様の農業生産が困難な土地については、放牧や景観作物、エネルギー作物など粗放的な利用などによる農業生産利用に切り替える③農業生産自体の維持が困難な土地については、鳥獣緩衝帯やビオトープなど農業生産の再開が容易な土地として利用する④農業生産の再開が困難だと判断された土地については、植林などにより計画的な管理を行う―と設定。地域の話し合いを通じて農林漁業団体等がこれらの取組を実施しようとする場合、地方自治体に活性化計画の策定を提案できる仕組みや提案した計画に基づく事業実施に必要な手続きの迅速化を図る仕組みを構築することとしている。また、農地バンクが一定のまとまりで借り受けた農地について、都道府県が農業者の費用負担を求めずに農業水利施設等の整備ができる仕組みを構築するとしている。

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