農産物の価格形成7年中に法案化 スマート農業活用促進法は令和6年中に国の基本方針を策定

政府は6月12日、食料安定供給・農林水産業基盤強化本部の第7回会合を開催、「新しい資本主義」に基づいた農林水産・食品分野の政策の全体像について議論を行った。会合のなかで、坂本農相は今年度中の基本計画策定を目指すほか、合理的な価格形成についてはコスト指標づくりを推進しつつ、令和7年中に関連法案を国会に提出する方向を示した。また、岸田総理からは基本法が改正されたことを受けて、「新たな農政の再構築を進める」よう指示があった。
会議でははじめに坂本農相が新しい資本主義に基づいた農林水産・食品分野の政策の全体像、基本法改正を受けた政策の進め方を報告。6月5日に基本法が公布、施行されたことを受け、食料・農業・農村基本計画の改定に向けた作業に着手、今年度中の策定を目指す。
また、基本法の改正や各種社会課題を受け6月14日に参議院を通過した①スマート農業活用促進法②農振法の改正③食料供給困難事態対策法―の3法案に加え、①合理的な価格の形成(持続的な食料供給に要する合理的な費用を考慮する価格形成の仕組みの創設)②人口減少下での農業用インフラの保全管理③森林の循環利用ができる林業経営体の育成と集積・集約化――の3点について、新たに令和7年中の法案の国会提出を目指す。このうち、合理的な価格形成については、法制化を進めるとともに、関係者の協議によるコスト指標づくりも推進する。
また、スマート農業活用促進法は令和6年中に国の基本方針を策定、改正農振法及び食料供給困難事態対策法については令和7年中に国の基本方針策定を目指すこととしている。
これらの報告を受け、岸田首相は「今後は、新たな基本法の下、漁業・林業を含め、農林水産業の所得向上に向けた農林水産・食品分野の政策の再構築を進める。 まず、基本法に基づく食料・農業・農村基本計画を今年度中に策定することとし、この夏から議論開始をお願いする。さらに、基本計画の改定を待たずに打つべき施策は講ずるべく、喫緊の課題である農林水産業及び食品産業における所得向上に向けて、合理的な価格の形成のためのコスト指標作成の協議を進めるなど、官民連携の取組加速をお願いする」と指示があった。