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適正な価格形成 協調し議論する場に 持続可能な食料供給に向け

適正な価格形成 協調し議論する場に 持続可能な食料供給に向け
酪農・畜産で先行してスタートした「適正な価格形成」に向けた議論。それらは、先ごろ中間とりまとめが公表されたところだが、「農産品・食品」とより広範な議論として、8月29日、省内の会議室で「第1回適正な価格形成に関する協議会」が開かれた。
 同協議会は、持続可能な食料供給の実現に向け、課題の分析を行いつつ、フードチェーンの各段階でのコストを把握し、それを共有し生産から消費に至る食料システム全体で適正取引が推進される仕組みの構築を検討するための協議の場として設けられたもの。生産者から消費者まで幅広いステークホルダーが参加している。
 協議会では、冒頭、宮浦浩司総括審議官(新事業・食品産業)が挨拶に立ち「これだけ幅広い皆様にお集まり頂く場は非常に珍しい。どのような議論になるか不透明ではあるが、生産、製造、流通、販売、消費の各段階で持続性がきちんと確保できるということを共通の目標として、まずは関係者間で協調して議論できる土俵づくりができれば」と述べた。
 その後、農水省側から農産物・食品の価格形成を巡る事情について、報告があった。具体的には物価と価格転嫁の動向やコストの状況を説明。価格転嫁に関する現場の声として、生産者からは「消費者の農業のコスト高騰の理解が進んでいない」「他社にシェアを奪われるおそれがあり交渉を自粛した」などがあった。また、関連する情報としてフランスのエガリム法についても紹介した。
 こうした説明をもとに協議会構成員が意見を述べた。今回の検討会は、内容が機微に触れる部分もあることから基本的に非公開で後日議事録が公開される。このため、どのような意見が述べられたか現時点では明らかではないが、「各業界ともコスト高に直面し厳しい状況に置かれているが、生産性や付加価値の向上に取組み、苦しみながらもなんとか事業を継続しているというそれぞれの立場や現状が紹介された」(新事業・食品産業部)という。
 また、今回の協議会は期間などのゴールを設定せず、じっくりと議論を進めていく予定となっている。
 前述の酪農・畜産での議論の際と同様、様々な立場があり、非常に難しい議論になることが想定される。そこからいかにすり合わせていくことができるか。わが国の持続可能な食料供給に向けて正念場を迎えている。

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