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農水省が「食料・農業・農村基本計画」答申案を決定!食料安全保障と農業構造改革を推進

農水省が「食料・農業・農村基本計画」答申案を決定!食料安全保障と農業構造改革を推進

 農水省は3月27日、食料・農業・農村政策審議会と同企画部会の合同会議を開催、食料・農業・農村基本計画について、答申案をまとめ、江藤農相に手交した。5年ぶりに改正された今回の基本計画は、はじめて食料自給率以外にも生産コスト低減などで具体的な目標値を設定。その進捗を毎年検証することにより、目標達成を目指す。それにより、基本計画開始後の初動5年で農業構造の大転換を推し進めることとしている。なお、今後、基本計画は調整後、閣議決定される見込みだ。

 審議会では、はじめに企画部会の中嶋康博部会長が、基本計画案の概要について説明。これまでの審議経緯を説明したうえで、新たな基本計画案のポイントを報告した。
 新たな基本計画は、改正基本法の基本理念に基づき施策の方向性を具体化、平時からの食料安全保障を実現する観点から初動5年間で農業の構造転換を集中的に推し進めることを強調している。また、これまでの基本計画は基本法の条文に沿って記述されていたが、今回は基本法に定められた基本理念に沿って5つの施策テーマ(①わが国の食料供給②輸出の促進③国民一人一人の食料安全保障・持続可能な食料システム④環境と調和のとれた食料システムの確立・多面的機能の発揮⑤農村の振興)ごとに施策が整理されている。
 更に今回、食料自給率の目標として、2030年を目途として、摂取熱量ベースを53%に設定。そのほかにも、食料自給率の向上などに資する目標をKPI(重要業績評価指標)として設定した。例えば、スマート農機の出荷割合を現状23%から50%、スマート農業技術を活用した面積の割合を現状約20%から50%などが挙げられている。食料自給率の目標を含め、こうしたKPIを毎年検証し、PDCAサイクルを回していく。
 これらを説明したうえで中嶋部会長が重要だと思うこととして、次の3点を挙げた。
 ①食料安全保障の確保に向け、初動の5カ年で農業の構造改革を集中的に推し進めるという意思のもと、大胆な施策、改革を提案した②地域計画に対して期待と懸念を示した。地域計画は、農業の構造改革を進めるうえで、現場の関係者に取り組んでもらう重要な仕組み。苦難はあると思うが、まずは作ってもらい、それを踏まえて施策を積み上げ、農業構造改革につなげて頂きたい③農業構造改革には国民、消費者の支援が必要。消費者の行動変容を期待する旨も基本計画に盛り込んだ。
 これらの説明を受け、審議会として答申を決定した。その後、中嶋部会長、審議会の大橋弘会長が江藤農相に答申を手交。江藤農相は「基本計画の内容はまさに構造転換を進めるというもので、素晴らしい内容に仕上げて頂いた」と述べた。
 基本計画は、今後調整を行ったのち、閣議決定される。

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