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農作業安全検討会 7年度から新安全検査 SSの安全性再検討 補助事業では受検機が要件に

農作業安全検討会 7年度から新安全検査 SSの安全性再検討 補助事業では受検機が要件に
農水省は3月15日、第7回農作業安全検討会を開催、令和3年の中間とりまとめを受け行われた令和4年度の取組状況を報告した。安全性検査制度の見直しに向けては、令和7年度からの新基準の適用に向け、「安全装備検査基準」を集中的に議論。特にSSについては、安全性について根本的な見直しを図っており、現在各メーカー製作の試作機など用い議論している。更に補助事業において、農機を導入する際、安全性検査合格型式から選定することを要件化することも検討中。

 検討会では、はじめに平形雄策・農産局長が挨拶。「産業の持続性という観点から農業において事故、特に重篤な事故が多いことに非常に危機感を抱いている。令和3年の農作業死亡事故調査の結果が公表されたが、死亡者は若干減少、10万人あたりの死亡者数もわずかだが減少した。しかし、依然として他産業と比較すると高い状況に変わりなく、まだ道半ば。中間とりまとめのフォローアップを続けることで農作業事故の減少につなげていきたい」と述べた。
 その後、技術普及課生産資材対策室の吉田剛室長が中間とりまとめの取組状況について報告した。
 安全性検査制度の見直しに関しては、令和7年度からの新基準の適用に向け対象機種(乗用型トラクタ、歩行型トラクタ、自脱型コンバイン、田植機、乾燥機)について、安全装備検査基準を集中的に議論した。このうち、シートベルトリマインダーとシートスイッチについては、具体的な基準がほぼ決まったことから基準に即し、各メーカーが開発をスタート。その他の分野についても議論が進んでいるが、一部については、様々な開発が必要となることから、令和7年度に一律でスタートするのではなく、一部7年度以降スタートとなることもありうる。
 具体的な安全装備検査基準の例として、乗用型機械の歩行運転時の安全対策として、「歩行運転時用の低速度段」や「歩行運転時に操作することで一定以下の速度にけん制する装置」などの安全基準の要否について検討を行った。
 このほか、スピードスプレヤー(SS)については、転落・転倒事故や挟まれ事故が多く発生していることから、現在の機械の構造のままでは対応が難しいとして、基準を大きく見直す方向で議論を実施中。各社が試作機を製作し、メーカーの垣根を超えて勉強会を実施。どのような装置が実現可能か議論している。
 製品アセスメントについては、農用運搬車を1機種目として選定。令和4年度は荷物を積載した状態での転落・転倒リスクの試験評価手法、後進する農用運搬車に挟まれるリスクの試験評価手法等を作成した。来年度は実際に市販されている農用運搬車の製品アセスメントを実施し、四半期の安全水準を広く明らかにする。
 また、購買行動対応の強化として、令和5年1月からJA共済で安全性検査に合格した型式について自動車共済の掛金を9%割引する取組がスタート。農水省では、安全性検査の対象機種について、令和7年度以降に新たに発売された型式を補助事業等で導入する場合、安全性検査合格型式から選定することを要件化することを検討している、などとした。
 なお、今後さらに検討が必要な事項として、書面審査や量産化前の受検、検査手数料の軽減、基準適合範囲の明確化など受検しやすい環境づくりなどについて検討を加速化していく。
 こうした説明を受け、委員からは「シートベルトが着けづらいものが多い。着けやすくすることでもっと装着率が上がる。また、取扱説明書も分かりづらい」(大浦栄次氏(日本農村医学会評議員))、「事故防止には現場に向けてわかりやすい情報発信が必要」(田中宏樹氏(全農機商連専務理事))などの意見があった。

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