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農薬散布ロボDr.FARBOT 1台で複数のタスク GINZAFARM

農薬散布ロボDr.FARBOT 1台で複数のタスク GINZAFARM
GINZAFARM=東京都中央区銀座=は、2023年から主に施設園芸の防除作業を軽労化する農薬散布ロボット「Dr.FARBOT」を販売開始した。同機は、人に代わりロボットが農薬散布するほか、病害虫センシング、運搬など様々な作業が行えるカスタマイズ機械。またサイズもコンパクトで、軽トラに乗せて移動ができる。同社は、2018年からスマートアグリ事業を開始し、農業用ロボットの受注生産を行ってきたが、Dr.FARBOTは量産機として第1弾となる。

 

Dr.FARBOT(以下FARBOT)は、プラットフォームタイプで、搭載機構の付け替えにより1台のロボットで複数のタスクをこなすことができる。第一弾として提供開始するのは、人に代わりロボットが散布する農薬散布スプレーヤーだ。同機は付着性に優れた静電ノズルを採用し、動力噴霧機併用のホース牽引タイプで薬剤を汲みに行く手間なく連続した作業が行える。スプレーヤーの高さは、上下に可変し、散布ノズルも選べるため、作物の成長に併せて散布範囲を変更できる。操作はリモートコントローラーで行えて、離れた場所から操作を行うことで、農薬被暴の心配も大幅に軽減される。またオプションでセンシング機能の追加も可能だ。
 同社の検証試験では、従来の手散布作業に比べて30%以上の作業時間短縮、20%の農薬使用量の低減が見られたという。トマトやきゅうり、なす、ピーマン、ししとうなどの立体型の栽培作物に適している。
 またカスタマイズ機械が注目されつつある中、同機は、日本の施設園芸のほ場に合わせた軽量・コンパクトなサイズが特徴だ。スプレーヤ搭載の場合、重量30㎏、長さ825㎜、全幅520~640㎜、高さ1690㎜とコンパクトなため、軽トラに乗せて運ぶことができる。
 テストに参加した農家からは、「ロボットということで抵抗があったが、最初の1レーン目の走行でその不安が解消されるほど操作が簡単なことが分かり、すぐに慣れることができた。少し離れた位置から散布状況を確認しながら作業が出来るので、楽なだけでなく効率も良い」との声があがっている。
 同社営業本部部長の桑原広充氏は、「GINZAFARMは、東京・銀座で米を作るプロジェクトや有楽町前の交通会館等でのマルシェを展開し、またJAXA宇宙探査イノベーションハブに採択されるなど、農産物の生産から流通、農業用ロボット開発まで農業に根差してきた会社だ。この中で見えてきた農業の課題は、技術の継承が難しい属人的な産業であることだ。我々はロボットやAIを活用した未来型の農業を目指していく。FARBOTには更に機能を追加し、防除のシステム化を構築する。今後搭載予定の技術は、AI病害虫診断機能、通信ネットワークを活用したリモートセンシング機構、FARBOTによるデータ取得から解析による最適防除診断システムなど、みどりの食料システム戦略も見据えて未来型のスマート農業技術を提供していく。一方、農家がロボット技術を習得するのではなく、ドローンのようにロボット技術を熟知した専門のオペレーターを育成し、受託作業で最適な防除を提供していく形が望ましいと考えている。そうすれば農家は空いた時間で、作物に手を掛ける時間を増やしたり、別の作業ができる。FARBOTは販売とレンタルの両方で推進していく」と話している。

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