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R4年農林水産物食品輸出 総額1兆4148億円に 青果物は24%の増加

R4年農林水産物食品輸出 総額1兆4148億円に 青果物は24%の増加
農水省は2月3日、令和4年通年の農林水産物・食品の輸出額を公表した。総額は1兆4148億円で対前年比14%の増加となり、11年連続で過去最高を記録した。農水省が関係者から行った聴き取りによると、多くの国・地域で外食向けがコロナによる落ち込みから回復したこと、円安による海外市場での競争環境の改善などが追い風となり、多くの品目で輸出額が伸びた。青果物はりんごなど多くの品目で過去最高を記録、前年比24%の増加と大幅に増える結果となった。

 令和4年の農林水産物・食品の輸出額は対前年比14・3%(1766億円)増の1兆4148億円と11年連続で過去最高を記録した。このうち、少額貨物は同1・5%増の767億円だった。
 品目別では水産物が中国及び米国向け、アルコール飲料は中国向け、青果物は香港及び台湾向け、牛乳・乳製品はベトナム向けの伸びが大きかった。
 品目別の詳細をみると、穀物等は同12・2%増の626億9600万円。このうち、米(援助米を除く)は同24・4%増の73億8200万円、パックご飯は同33%増の7億9000万円などとなり、いずれも過去最高を記録した。パックご飯はアメリカや香港などで美味しさや簡便志向などから大きく伸びた。
 青果物は同24・3%増の474億9200万円で過去最高を記録。内訳をみると多くの品目で過去最高を記録しており、りんごは同15・4%増の187億300万円、ぶどうは同16・4%増の53億9000万円。農産局によると、天候が良く生育が順調で輸出向けの品質のものが多く生産されたことが大きいという。
 このほか、緑茶は同7・2%増の218億8700万円で過去最高。林産物は同11・9%増の637億6100万円。このうち、合板及び木製家具が増加しており、合板は同46・9%増の110億5400万円、木製家具は同26・6%増の68億9300万円でいずれも過去最高。
 なお、地域別では、中国が同25・2%増の2783億円でトップ。ついで香港が同4・8%減の2086億円、アメリカが同15・2%増の1939億円と続く。
 輸出国際局では、今回の結果について、日本政府が政府一体で進めてきた輸出支援プラットフォームの設立や各種の施設整備などが後押ししたとしており、「2025年2兆円目標の前倒しを達成できるよう、まずは一つ一つの施策を着実に積み重ねていく」としている。
 なお、農水省による輸出拡大に向けた具体的な取組みの一例として、一昨年11月に解禁された米国へのメロン輸出があげられる。米国向けのメロン輸出は、それまで米国が侵入を警戒する病害虫が我が国で発生していることを理由に、輸入を禁止されていた。これに対し、農水省が米国の植物検疫当局と技術的協議を積み重ね、植物検疫条件に合意。①植物防疫所による輸出検査を受け、スイカ緑斑モザイクウイルスの付着がないことが確認されること②米国側で輸入検査を受けること―の2点を満たすことで輸出が可能となった。この結果、これまでまったく行われていなかった米国向けメロンの輸出が昨年は3000万円にまで増加したという。

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