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下水汚泥を肥料に 年内に検討会で論点整理

下水汚泥を肥料に 年内に検討会で論点整理
大部分を輸入に頼っている肥料。世界的な肥料需要の高まりや昨今の世界情勢を受け、価格が高騰。昨年策定したみどりの食料システム戦略においても、化学肥料の削減を掲げており、土壌分析による適正施肥、ペレット堆肥など堆肥の活用など様々な取組が進められている。
 そうしたなかで、10月17日には、農水省内の会議室で下水汚泥資源の肥料利用の拡大に向けた官民検討会が開かれた。
 下水汚泥については、全国2000カ所のうち、約1000カ所の下水処理場で肥料利用に取り組んでいるものの複数の利用・処分方法の一つとして、行われている場合が多い。このため、全汚泥発生量に対する肥料利用の割合は1割にとどまっている。具体的には下水道管理者による肥料化を行っているのは74カ所でうちリン回収を行っているのは、5自治体(鳥取市、島根県、福岡市、神戸市、岐阜市)の計6カ所。自治体内での肥料化(下水道部局以外)が35カ所、民間企業による肥料化は896カ所で取り組まれている(いずれも令和4年度国交省調べ)。
 こうした状況から会議では、技術開発の進展などにより下水汚泥資源を活用した肥料供給システムが一部で展開を始めていることから、製造価格や地域に適した肥料製造、農業者・消費者理解の増進など残された課題を議論し、農水省、国交省連携による実証やPR活動で解決を進めるとした。年内を目処に論点整理をまとめる見込み。
 18日の定例会見で、受け止めを問われた野村農相は「現状、汚泥を焼却した後の灰については、多くが土木関係のセメントと混ぜて活用されており、農業用にどのぐらい使えるのか検討していかなければならない。いずれにしても、下水汚泥資源の肥料活用の取組が広がっていくよう、課題はあると思うが、検討会で十分議論して頂き、コストの安い肥料ができればと思っている」と期待を語った。

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