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収穫・秋耕同時作業 熟練農家並みの作業が可能 新潟県とクボタ、新潟クボタ

新潟県とクボタ(北尾裕一社長、大阪市浪速区)、新潟クボタ(吉田至夫社長、新潟市中央区)は「スマート農機の精度向上及び効果的導入に向けた試験研究・実証」を今年度からスタート。9月29日には、村上市のNKファーム村上で、有人の自動運転アシスト付きコンバインによる収穫と無人のロボットトラクタによる秋耕の同時作業の実証が行われた。今回の実証の結果、ロボトラクタやロボコンバインの技術が、熟練農家のクオリティと、ほとんど変わらないことが分かった。

 今回の実証は、研究課題である「稲作におけるスマート農業技術を活用した「みどりの食料システム戦略」への貢献実証」に向け、水稲栽培でのロボット農機等のスマート農業技術による農作業や消費エネルギーの効率化等の導入効果を把握するのが目的。当日は新潟県農業総合研究所作物研究センター、クボタアグリサービス、新潟クボタみどりの食料システム戦略貢献部が出席した。
 使用した農機はアグリロボコンバイン「DR6130A」とアグリロボトラクタ「MR1000A」。コンバインにはオペレータ1人が乗車。コンバインに乗車しているオペレータが、無人で動くトラクタの監視も行い、1人で2台を操作して作業するといった想定で行った。コンバインは、現場から7㎞程離れた黒川サービスセンターにある基地局からの電波を使用した自動運転。実証では作業精度や労働時間、刈り取った稲の量、使用した燃料の量などのデータを取得。来年度末までに検証を進めることとしている。
 説明者によると、「人間が自ら操作して刈り取ろうとすると、刈り取っている最中に収穫した稲のタンクが満タンになってしまい、排出するまでの間、無駄に走ってしまうケースがあった。だが、アグリロボコンバインは外周を回っているうちにどれくらいでタンクが満タンになるかを計算するため、ロスを削減することが可能。収穫する容量も半分程度や7割程度に抑えるなど臨機応変に調整できるため、柔らかいほ場などでスタックを防ぐ場合にはタンクに溜める容量を抑えられる。これまで新人がいきなり大型農機を扱うことが難しかったが、自動運転アシスト機能を使うことで何十年やってきたベテラン農家とさほど変わらずに作業を行えることが今回の実証でわかった。人手不足が深刻化する業界の救世主になりうると期待される」。
 実証では、輸出用の米「にじのきらめき米」8415㎏を収穫し、燃料を19㎏使用した。また、色選機をKSASシステムと連携できるようにしたことで、良い米ができる条件を調べやすくなったという。
 新潟クボタ営業本部みどりの食料システム戦略貢献部の中山彰人部長に今回の感想を聞いたところ「やっと始まったという思いだが、ロボを見ると(勝手に収量を計算して効率良く作業を行うなど)頭が良いと感じるし、よく出来ているなと思った。自動運転は導入時にはハードルはあるものの、今後も人手不足などもあり作業できる人が減り続けることから、広がっていくと考える。一人で、2台を操作できるという点も大きく、昨今の区画整理の流れで大きなほ場も増えており、ロボを使って効率良く作業をすることができると言える。これからより使い方や機能を磨いていき、もっと良いものにしていきたい」と話した。

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