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みどり法運用始まる 持続可能な農業へ 農機取得の税制措置など

みどり法運用始まる 持続可能な農業へ 農機取得の税制措置など
今年7月に施行されたみどりの食料システム法の本格的な運用が9月15日からスタートした。運用に向けた基本方針や事業活動の大臣告示が同日付で官報に掲載されたもの。これを受け、同法に基づく基盤確立事業実施計画の認定申請、都道府県・市町村が作成する基本計画の協議の受付が開始された。今後、みどり投資促進税制をはじめとした各種の支援措置への対応が進むこととなる。なお、みどり税制では、可変施肥田植機や畦畔草刈ロボットなどの導入時に特別償却を受けられる。

 みどりの食料システム法では、環境負荷の低減に取組む者の計画を認定し、税制・融資等の支援措置を講じることとしている。その仕組として、国がまず基本方針を策定(今回官報告示されたもの)。支援対象により異なるが、生産者については、国の基本方針に基づき、都道府県・市町村が基本計画を策定。それをもとに生産者が環境負荷低減を図る取組(例えば、土づくり、化学肥料・化学農薬の使用低減の取り組みを一体的に行う事業活動や温室効果ガス削減のほか、別途農林水産大臣が定める事業活動としてバイオ炭の農地施用など)に関する計画を申請。認定を受けることで様々な支援措置を受けることができる。具体的には農業改良資金等の償還期間の延長やみどり投資促進税制による特別償却。また、特定区域内(モデル地区)の場合はこれらに加え、行政手続きのワンストップ化などを受けられる。
 一方、新技術の提供を行う事業者については、国の基本方針をもとに生産者だけでは解決しがたい技術開発や市場拡大等、機械・資材メーカー、支援サービス事業体、食品事業者等の取組に関する「基盤確立事業実施計画」を策定。国(農林水産大臣+事業所管大臣)の認定を受けることで、必要な設備等への低金利融資やみどり投資促進税制による特別償却、行政手続きのワンストップ化、病虫害抵抗性に優れた品種開発の促進などを支援する。
 いずれにも共通する支援措置であるみどり投資促進税制については、一定の設備等を新たに取得等した場合、特別償却(機械等32%、建物等16%)の適用を受けることができる。同税制の適用は、令和6年3月31日までの間に認定実施計画に基づき対象設備等を取得し、当該事業の用に供した場合に限られる。
 具体的に税制特例を受けられる機械・設備として農水省で例示しているものとしては、生産者向けのものでは、可変施肥田植機や水田除草機、抑草ロボット、色彩選別機、ピンポイント農薬散布ドローン、紙マルチ田植機、畦畔草刈ロボット、マニュアスプレッダ、自動灌水施肥装置(環境制御装置)。事業者向けでは、堆肥製造装置(家畜排せつ物の強制発酵)、堆肥のペレット化装置、堆肥混合肥料製造装置、バイオコンポスター、種子温湯消毒装置、生物農薬製造設備(天敵昆虫飼育室)など。
 農水省では、現場で速やかに税制措置を活用できるよう、都道府県・市町村による基本計画の作成を伴走的に支援するとともに機械・資材メーカーに対して税制の活用促進に向けて働きかけを進めているとしている。そのうえで、「引き続きみどり戦略推進に向けて、みどりの食料システム法の運用を含め、あらゆる機会を通じて情報発信等に取り組んでいく。『みどりの食料システム法の支援措置を活用して環境負荷低減に取り組みたい』『新しい機械の購入を考えているので、みどり税制を使ってみたい』などのリクエストがあれば担当官がお話しをお伺いし、可能な限り対応する」としている。

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