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現場での一服最高 サンSグリーンの石橋鋭治さん 目指せ林業プロ 我が社のホープ

林業の楽しみの一つといえば直接肌で四季を感じられることだろう。春は新緑や鳥のさえずり、秋は色鮮やかな紅葉など都市部とは違う移ろいを間近で味わえる。
 今回の主人公である石橋鋭治さん(50歳)も施業場所での一服は格別だと答える。「特に天気の良い日や高い山が現場の時の一服は言葉では言い表せないほど良い気分にさせてくれます。山仕事の醍醐味ですね」。
 福井市を中心に、堤防の草刈りや伐採後の下草刈り、地拵えといった事業を展開し、県外からの依頼にも応じているサンSグリーン=阪本陽一社長、福井県福井市東森田1―1112=に入社して9年目。課長補佐という立場から入社間もない社員に技術的な指導などをしている。「ほぼ異業種からの転職組なので、〝外仕事とは何ぞや〟みたいな気構えや、使用機材の操作など具体的なことをちょっとですけど」と照れ臭そうに笑った。
 そういう石橋さんも転職組。以前は造園会社に勤めていたという。「17年勤めていたが40歳を目前に人生や将来について考えるようになり、合間をみつけて仕事探しをしていまして…。そんな折に福井県で林業の就業支援講習があり受講したのがきっかけです。なぜ受講したか?同じ木を扱う仕事なのでこれまで培ってきた技術を活かせると考えたこと、応援で林業関係者にチェンソーで木を切ってもらった際に〝自分もやってみたい〟と思ったこと」と述べた。
 そこで林業のイロハを学んだ後に縁あって同社に入社。林野庁の緑の雇用事業を活用して必要な資格を取得し、去年はフォレストリーダー研修を受講して資格を得るなどステップアップしてきた。
 「ウチは造材よりも苗木を植え、枝打ち、下刈りといった保育作業がメイン。そのため、機械仕事はあまりなく体力勝負。一日中体を動かすこともあるし天気など関係なしの場合もあります。特にキツイのは夏場。こまめに水分を摂ることが欠かせないが、その分水を持っていく事で労力が増えるので。特に今年は猛暑日が続いたこともあって厳しいです」と話す。最近は軽い熱中症にかかる人が増えたとも述べ、過酷な現場を想像させた。
 草刈り作業が多いことから使用機材の7~8割は刈払機と言い、「のり面の草刈りならば福井で一、二番に面積を刈る自信があります」と笑う。そのコツはとの問いには「大切にしているのはリズム。一定のリズムを刻んで進むよう心掛けてからテンポがあがりました」と話す。6年程前に特殊な刈払機用の刃の存在を知ったことも大きかったといい、今では全社員で使っているとのこと。そうした自分の意見を尊重してくれる風通しの良い社風にも満足しているようだった。
 福井市から少し外れた勝山生まれの勝山育ち。20年ほど空手を続けていて今も週に1度道場に足を運んで後進の指導をしている。また、昨年より株式投資も開始。「将来を考えて始めたのですが、今年はあまり良くなく取材中も気になって仕方がなくて」と、苦笑していた。
    ♢ ♢
 本レポートは各地のJ―クレジット発行体を取材した「カーボン・オフセットで森づくり」に続き、各素材生産業者や森林組合などから若手林業従事者を紹介いただき、林業に入った感想などを聞くとともに、各事業体代表者などから人材獲得や育成について取り組んでいる工夫などを聞く。

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