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作業負担が減り満足 「トリケラ」導入の池上林業 松本システム

松本システムエンジニアリング=松本良三社長、福岡県糟屋郡篠栗町和田1043―4=のハーベスタヘッド「トリケラ」が各地で活躍している。宮崎県小林市の池上(いけうえ)林業は今年4月に導入。池上範男社長(60歳)は「重機から降りてチェンソーで落としていた回数が激減。体が楽になり、これならまだ5~6年は現場作業ができる」と喜んでいた。

 若手作業員2名と素材生産業を手掛けている池上社長。傾斜の急な現場が多いことから、伐採はチェンソーで行い、玉切りをプロセッサで行っていた。そこで問題になっていたのがヒノキ材。スギと違って枝が硬く幹からの粘りが強いため、ガクンと生産性が落ちてしまっていた。「枝が落ちないとエンジンを止めて安全ロックをかけてから重機を降りてチェンソーで落としていた。再び作業に戻るまで4~5分かかっていたので凄い時間のロス。体の負担も大きく何とかできないかと考えていた」。
 1日8時間の作業時に100回前後も機械の乗り降りを繰り返すことも珍しくなかったとのこと。
 仕事場や購入した山でもヒノキの割合が年々高くなっており、近隣業者と情報交換していた中で上がったのが「トリケラ」だ。
 ローラとストロークのハイブリッド方式と操作の自動化を進めたトリケラは、ローラ送りで切断できない枝を0.5秒で判定し、切断できないと判断すると自動的にカッターユニットがストロークして5.5tの推力で枝を切断。形状を最適化したカッター刃と高トルクの油圧モータ式フィードローラの組み合わせで、ヒノキのような硬い材や曲がり材も確実に送材していく。
 0・25㎥クラスのベースマシンに対応するモデルの販売を待って即導入。使用して1カ月ほどだが、これまで強いられていた乗り降りが激減。一日降りずに作業した日もあると大喜びだ。「1日の生産量は100㎥を目安に作業しているが、ヒノキが多くなると半分近くまで下がってしまい、我々の経営規模からすると厳しかった。だが、このトリケラを入れてからヒノキが混在していても変わらないスピードで進められている。枝打ちが大変なので後回しにしていたヒノキ山が4~5町歩あるので、値段が上がった時に一気に伐ろうと考えており、このまま使えば〝池上林業はヒノキ山でもスギと変わらんくらい出す〟とお触れが回ると思う」と笑った。
 話を聞いていて最も喜んでいるのが体への負担が軽くなったこと。林内での機械への乗り降りは、それだけで危険な行為であり、事故防止の観点からも有効だと太鼓判を押す。「昨年11月に還暦を迎えたけど、この機械なら5・6年は現役で続けられる。良い買い物をした」と述べた。
【トリケラ】適応ベースマシン12~23t車用モデル「MSE―TR―550A/B」は、フィードローラ数3個で最大送材直径550㎜、枝払い直径50~400㎜。同6~9t専用モデル「MSE―TR―450A/B」はフィードローラ数2個で最大送材直径450㎜、枝払い直径50~350㎜。稼働中の動画などについては同社HPで公開中。

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