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ヤンマーアグリJ 宮城県と包括連携協定 水田フル活用に向け 排水対策・子実コーン等

ヤンマーアグリジャパン(渡辺丈社長)は、水田のフル活用に向けた技術実証、スマート農業普及や食品関連産業と連携したサプライチェーンの構築等、宮城県における農業の更なる効率化・活性化を目指して宮城県と農業分野に関する包括連携協定を3月28日に締結した。両者は本連携により、ヤンマーの技術とネットワークを活用した土地利用型野菜作の収量向上の基盤となる排水対策や、子実トウモロコシの推進等のほか、県産農産物の新たな需要創出などにも取組む。

 宮城県は「第3期みやぎ食と農の県民条例基本計画(以下、本計画)」を2021年3月に策定し、米に特化した農業生産構造から脱却を図るべく、園芸作物(高収益作物)を中心に、水田における高収益作物及び子実とうもろこしの推進を図っている。
 調印式を終え、村井知事は「稲作の低コスト化はもちろん、畑作物や土地利用型野菜・飼料用作物への転換が必要となっている。試験研究機関と連携し、技術開発や現地実証に取り組む。幅広い分野での連携の契機となることを期待している」と述べた。
 渡辺社長は「ヤンマーは、″農業を食農産業へ〟をビジョンに掲げ、機械化だけでなく、ICTなどの技術を取り入れた効率的な農業経営や持続可能な農業の実現に向けた様々なソリューションを提案している。私共の目指すビジョンと宮城県の基本計画は重なりあう部分が多く、方向性、価値観を共有するパートナーとして食材王国みやぎの発展に貢献し、持続的な農業・農村の発展に貢献できるよう、力を尽くしていく」と決意を述べた。なお調印式には、東北支社の大坪信昭支社長、アグリサポート部の古舘正行部長も出席した。
 昨今のウクライナ情勢により輸入の飼料用トウモロコシも高騰、日本の食料安全保障への課題が問われている。村井知事は「国が掲げるカロリーベースの食料自給率だけに着眼するのではなく、栄養バランスが取れることに加え、農業者が持続的に農業ができるよう、米だけでなく野菜・畑作に転換していくことが必要だ。農業者が高齢化する中では、ヤンマー様等の機械メーカー様と新たな取組みを進めていくことが重要だ」と述べた。
 また、連携の具体的な取組みについて東北支社アグリサポート部の阿部茂主任が説明。「土地利用型の野菜作では収量が上がらないのが難点となっている。まずは土壌をしっかり作るために、排水対策に取り組む。子実トウモロコシについては、宮城県では約160ha‌(R4)の作付けが予定され、都府県最大の栽培面積となる。子実トウモロコシは水田転作の大豆と作型がよく似ており、機械投資も少なく済むなど農業者にも取り組みやすい。ヤンマーは昨年、普通型コンバイン用アタッチメントのコーンヘッダーを開発した。これにより機械化一貫体系を実現し、省力・低コスト生産が可能となる。宮城県を代表する新たな品目になるのではないかと期待している」と話した。主な取組み内容は次の通り。
【ICT・新技術活用による生産性の向上、省力・低コストで環境に配慮した持続的な食糧生産体制の構築】▽水田のフル活用に向けた技術実証(土地利用型野菜作・子実とうもろこし等推進における共同活動)▽水稲省力作業体系確立に向けた技術実証(密苗・直播栽培体系等)▽施設園芸栽培における省力技術実証。
【次代の農業を担う人材の確保・育成】▽スマート農業普及に向けた共同活動▽教育機関との連携(農業大学校・高校等への支援)▽農作業安全対策への支援。
【県産農産物の新たな需要創出】▽食品関連産業との連携によるサプライチェーンの構築、生産と消費のマッチング▽ICT技術を活用した販売戦略、付加価値の創出▽県産農産物の価値向上に寄与する発信及びサービスの構築。
【その他、地域社会の活性化及び県民サービスの向上】▽新技術、スマート農業技術等の実証における共同活動▽みどりの食料システム戦略を見据えた実証に関する共同活動。

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