水稲用中・後期除草剤の動向 (公財)植調協会 研究所 試験研究部長 濱村謙史朗

【はじめに】一発処理剤が全盛の時代となった現在でも、中・後期除草剤(中・後期剤)のニーズは減っておらずむしろ徐々に増加しており、2020年度の推定使用面積は約67万ha、水稲作付面積(約158万ha)の42%で使用されている。使用法別にみると、一発処理剤が全体の58%を占め、中・後期剤は22%、初期剤が20%となる(図1)。これら除草剤を上手に使って水田雑草を効率的に防除するには、雑草の発生時期や防除期間に加えて、使用する除草剤の特徴を把握しておくことがとても重要である。特に中・後期剤は手取り除草を回避する最終手段として用いられるため、個々の薬剤には能書きどおりの除草効果が求められる。以下には、雑草防除の基本的な考え方と中・後期除草剤の適切な使い方について解説する。