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山を作り未来を紡ぐ 熊本県阿蘇市の岩村創山 地域林業の「守り手」たち―5―

山を作り未来を紡ぐ 熊本県阿蘇市の岩村創山 地域林業の「守り手」たち―5―
日本の森林・林業が抱える課題解決に対し、コベルコ林業機を提供して応えているコベルコ建機日本。最前線を担う特約店と、その特約店が「地域の宝」と称する林業事業体の取組を取材する。前回掲載した熊本県八代市の豊田工業所から紹介いただいたのが、半世紀以上にわたり地元の山林を守り続けている阿蘇市の岩村創山だ。岩村雄太社長(50歳)は、阿蘇カルデラの内側の〝谷内〞と呼ばれる地域を中心に、健全な森林を未来へと引き継ぐ間伐主体の素材生産を貫いている。
「山を創る」という社名通りの理念で林業を行ってきた父のもとに20歳で林業の道へ。10余年前に事業承継して法人化した。30年に及ぶキャリアの中で熊本県の高性能林業機械オペレーター講師を務めるなど高い技術と知識を培ってきた。代変わりと同時に機械化へ着手。現在は4名体制ながら作業員数以上の機械を導入・活用している。
阿蘇の外周部では皆伐して再造林する動きが主流となりつつあるが、集落に近い谷内地区の山林は地域住民にとって庭のような存在とのこと。景色が一変する皆伐は不安を与えてしまうため、岩村社長は一木一木を見極める丁寧な間伐にこだわる。「目先の利益のために良い木を伐るのではなく、そうやって山を育てています」。
一方で、間伐中心の林業経営には構造的な課題も横たわる。小径木などを優先的に伐採するため作業量に対して材積が稼ぎにくく、材価の低迷や単価請負構造も相まって売上が伸びにくいからだ。単価引き上げは山主への還元金減少に直結し、「それなら伐採しない」と拒否されて山が荒廃するリスクもある。だからこそ山主との対話と信頼関係を第一に掲げ、地域に密着した丁寧な作業を徹底する。自身も13町歩の田んぼで米作りを手がける農業者だからこそ、山と地域の繋がりを強く実感しているといい、「良い山にすれば良い水ができ、良いお米や野菜ができる。そうしたら子供たちが健康に生活できる」と想いを語った。
この持続可能な山作りを支えるのがコベルコ林業機械で、機械の相談や購入、サポートは全て豊田工業所に一任している。同席した多賀健一営業課長とは、10年以上前に阿蘇市内のコンビニで待ち合わせて以来の付き合いとのこと。多賀課長が中古機ユーザーを引き合わせたことで導入の道が拓け、今では酒を酌み交わす間柄だという。「機械選びで重視するのは性能よりも販売する人。多賀さんの顔を見て安心して注文できる。現場でトラブルがあってもすぐ飛んできてバックアップしてくれる」と信頼を寄せていた。
阿蘇地域の素材生産業者は人手不足が深刻化し、手入れが行き届かない〝真っ暗闇の山〞が増加し、懸念も広がっている。こうした地元の状況に危機感を抱き、阿蘇市の担い手協議会への参加や熊本県林業大学校での講師活動にも情熱を注ぐ。こうした信念を貫く男児を、熊本では親しみや尊敬を込めて〝肥後もっこす〞と呼んでいたが、ユーモアを交えつつ、節々で地元林業への想いを語る岩村社長こそピッタリと感じた。今後も阿蘇の健全な山を次世代へ引き継ぐ挑戦を続けていく。

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