ビジョンテック、ドローン農薬散布の未来を語る講演会を開催|マルチコプター連合会設立へ
レイブプロジェクト代表・請川博一氏による講演
ビジョンテック(茨城県つくば市)は9月30日、「農業WEEK」を目前に、ドローン散布事業者向けの講演会を幕張市内で開催した。農業の人手不足が進み、請負防除サービスが求められる中、小規模事業者でも大規模面積を受注できるシステムを構築するため、来年度に「マルチコプター連合会」の立ち上げを目指す考えを示した。また特別講演では、北海道旭川市を拠点に年間1万haの請負防除をマルチコプタ―で行うレイブプロジェクト代表・請川博一氏による講演が行われた。 ㈲レイブプロジェクト(北海道旭川市豊岡)の請川博一代表取締役は、NHKの「プロフェッショナル―仕事の流儀―」にも登場した経歴を持ち、「空の革命児」とも称されるドローンパイロットである。空撮と並行して当時のヤンマーヘリサービス(ヤンマーヘリ&アグリの前身)で無人ヘリによる農薬散布を推進してきた。1日で60〜100haを散布し、1カ月で1000万円を売り上げた実績もあるという。
請川氏はドローン(マルチコプター)の登場により、請川氏は高性能な防除が可能であると確信。一方、自動航行による農薬のドリフトを懸念してきた。従来の無人ヘリによるマニュアル飛行では、風の流れを読みながら散布してきたが、ルート通りに自動飛行すると、風で他作物へのドリフトをする恐れがあり、賠償問題にもなりかねない。
「農薬散布は一見簡単そうに見えて奥が深い」と請川氏は語る。ドローンスクールの講習では、機体の安全な離着陸までしか教えられず、農薬散布の技術は現場での実践研修が必要であるという。実際、同氏が開催した研修会には全国から受講者が集まった。
また、ドローン事業で採算が取れず撤退するケースも多く、「そういう人たち」が全国に多数存在するのも事実だと指摘する。今後は無人ヘリからドローンに置き換わり、平成14年に無人ヘリが有人ヘリを逆転したように、ドローンが主流になると予測されている。昨今は、JAが所有してきた無人ヘリの更新が困難になっている状況であり、そのタイミングでドローンを導入するケースが増えている。だが、人手が足りていない。
レイブプロジェクトはホクレンと業務提携を結び、ビジョンテックの「散布の助」を活用することでリアルタイム管理を実現し、防除面積の拡大に成功した。水稲の防除はすでに上限に達しており、今後は他作物への展開が求められている。ホクレンも水稲以外の農薬登録拡大に向けて動いている。
請負防除の単価についても言及。北海道では10aあたり1000円の単価であり、米価が上昇する中で、今後はこれを引き上げたいとする。そのためには、優秀なスタッフによる作業効率の向上が不可欠である。レイブプロジェクトでは、機体や発電機を用意し、リスクを負わずに事業を開始できる体制を整えている。定年退職者や副業希望者にも適した仕組みである。
請川氏は最後に、現在の1万haから10万haの拡大を目指していると述べ、マルチコプター連合会への期待も示した
ビジョンテック(茨城県つくば市)は9月30日、「農業WEEK」を目前に、ドローン散布事業者向けの講演会を幕張市内で開催した。農業の人手不足が進み、請負防除サービスが求められる中、小規模事業者でも大規模面積を受注できるシステムを構築するため、来年度に「マルチコプター連合会」の立ち上げを目指す考えを示した。また特別講演では、北海道旭川市を拠点に年間1万haの請負防除をマルチコプタ―で行うレイブプロジェクト代表・請川博一氏による講演が行われた。 ㈲レイブプロジェクト(北海道旭川市豊岡)の請川博一代表取締役は、NHKの「プロフェッショナル―仕事の流儀―」にも登場した経歴を持ち、「空の革命児」とも称されるドローンパイロットである。空撮と並行して当時のヤンマーヘリサービス(ヤンマーヘリ&アグリの前身)で無人ヘリによる農薬散布を推進してきた。1日で60〜100haを散布し、1カ月で1000万円を売り上げた実績もあるという。
請川氏はドローン(マルチコプター)の登場により、請川氏は高性能な防除が可能であると確信。一方、自動航行による農薬のドリフトを懸念してきた。従来の無人ヘリによるマニュアル飛行では、風の流れを読みながら散布してきたが、ルート通りに自動飛行すると、風で他作物へのドリフトをする恐れがあり、賠償問題にもなりかねない。
「農薬散布は一見簡単そうに見えて奥が深い」と請川氏は語る。ドローンスクールの講習では、機体の安全な離着陸までしか教えられず、農薬散布の技術は現場での実践研修が必要であるという。実際、同氏が開催した研修会には全国から受講者が集まった。
また、ドローン事業で採算が取れず撤退するケースも多く、「そういう人たち」が全国に多数存在するのも事実だと指摘する。今後は無人ヘリからドローンに置き換わり、平成14年に無人ヘリが有人ヘリを逆転したように、ドローンが主流になると予測されている。昨今は、JAが所有してきた無人ヘリの更新が困難になっている状況であり、そのタイミングでドローンを導入するケースが増えている。だが、人手が足りていない。
レイブプロジェクトはホクレンと業務提携を結び、ビジョンテックの「散布の助」を活用することでリアルタイム管理を実現し、防除面積の拡大に成功した。水稲の防除はすでに上限に達しており、今後は他作物への展開が求められている。ホクレンも水稲以外の農薬登録拡大に向けて動いている。
請負防除の単価についても言及。北海道では10aあたり1000円の単価であり、米価が上昇する中で、今後はこれを引き上げたいとする。そのためには、優秀なスタッフによる作業効率の向上が不可欠である。レイブプロジェクトでは、機体や発電機を用意し、リスクを負わずに事業を開始できる体制を整えている。定年退職者や副業希望者にも適した仕組みである。
請川氏は最後に、現在の1万haから10万haの拡大を目指していると述べ、マルチコプター連合会への期待も示した