トヨタ自動車、「電動コンパクト草刈機」を農業WEEKで初公開 草刈りの負担軽減とSDGs実現へ
トヨタ自動車(佐藤恒治社長、愛知県豊田市トヨタ町)は、第15回「農業WEEK」において、農家の長年の課題である草刈り作業を効率化する新製品「電動コンパクト草刈機(ELECTRIC COMPACT MOWER)」を参考出品した。
この電動コンパクト草刈機は、トヨタが掲げる**「幸せの量産」の理念およびSDGsの目標達成**を背景に開発されたものであり、日本の食料自給率向上と農家の負担軽減を目的として、4年以上にわたって研究・開発が進められてきた。
開発のきっかけは、トヨタが実施した農家へのヒアリングで得られた「草刈りが最も大変な作業」という声である。その課題を解決するため、自動車技術を応用した高性能な電動草刈機として設計された。
最大の特長は、トヨタの自動車技術を活かした高い安定性と実用性にある。クローラー(無限軌道)と走行制御技術の採用により、最大傾斜45度の斜面でも安定した走行が可能である。さらに、幅60cm(刈幅380mm)のコンパクト設計により、狭い畦道にも進入でき、軽トラックでの運搬も容易である。
また、バッテリー駆動の電動モーターを搭載しており、稼働音は生活音レベルの約68dBと静かで、早朝や夕方の作業にも適している。現時点ではリモコン操作型となっており、操作性にも配慮されている。
トヨタ自動車は、今後実際のユーザーによる実証試験を通じて性能を検証し、本格販売の開始を目指す方針である。
同社は、電動化技術とモビリティ開発の知見を農業分野へ応用することで、持続可能なスマート農業の実現に貢献していくとしている。