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【目指せ林業プロ 我が社のホープ】若き後継者が挑戦 鎌田林業土木の鎌田一輝さん

【目指せ林業プロ 我が社のホープ】若き後継者が挑戦 鎌田林業土木の鎌田一輝さん
林業は誰かがやらなければいけない仕事—。この言葉を胸に刻み、家業を継ぎつつ林業の価値向上を目指して取り組んでいる鎌田一輝さん(26歳)。教員免許を取得し、教師の道を歩むつもりだったが、祖父が創業した鎌田林業土木=宮城県加美郡加美町字北町二番30―37=に入社。林業の道を歩み始めた。
 昭和36年に祖父の鎌田一郎氏が個人事業主として創業した同社。昭和56年の法人化を機に国有林の請負事業を主に林業へ本格的に参入。加美町を中心に宮城北部で伐採・造林・森林整備など林業全般で活動している。現社長で父の鎌田渉氏の代になり、植栽などの業務を広げると共に自社有林を増やす方針へ。現在の自社有林面積は420ha。小野田宮崎地区と言われる山形県との県境の森林をメインに保有している。「材価の下落で国有林の伐採だけでは将来性が見えにくくなったので自社有林を広げて仕事を作るためと聞いています。最終的な目的は1000haにすること」と一輝さん。年間の素材生産量は約1万㎥で推移し、自社有林を中心に皆伐も行い、イメージに近い作業形態になっているようだ。機械化も積極的に推進し、油圧ショベル9台、フォワーダ4台、アタッチメントもフェラーバンチャやハーベスタ、グラップルなどを保有し、「最終的には〝チェンソーを持たず機械で施業〟を目指しています」と未来を見据えた。
 その中で一輝さんは会社を支える事務全般を担当。入社1・2年目は『みやぎ森林・林業未来創造カレッジ』や『緑の雇用』を利用して研修漬けだったというが、研修を通じ、林業という産業の意義や自社の価値などに気付かされたという。「最近の雨の多さなど山に木を植えない危険さを指摘する声は高まっており、それを担う人が必要。生活に必要な要素を支えているのが林業だと感じるようになった」と語り、木が持つ環境調節作用がクローズアップされるようになったことで、持ち山の評価が上がっていくことに期待する。また、「再造林面積の少なさにも驚きました。誰かが木を植え、整備しなければ山がなくなるということを知ってからは仕事にやりがいを感じるようになりました」と答えた。
 そこで今トライしているのが早生樹の苗木作り。コウヨウザンやヤナギなど成長が早いと言われる樹種の種を購入して発芽するか検証している。「今の現場作業員さんは15名ですが、年齢と共に現場作業が危険になった際に仕事を創出する意味も兼ねて試しています。(コウヨウザンは)針葉樹なのでスギと成長は似ているが枝が張り、比較のためにスギを植えたが、どちらも良く伸び、1年前に植えた隣のスギよりも成長が早いなど面白い発見もありました」と新たな試みから確認できたことを話した。
 最後に自社有林材を基に増設した休憩所を見せてもらった。シャワー室も備わり好評といい、「弊社は従業員同士の距離が近く、社長にも気さくに意見が言える環境。無理に規模拡大するより、今の雰囲気を大事にしながら質の高い林業を続けていきたい」。
    ◇
 本レポートは各地のJ―クレジット発行体を取材した「カーボン・オフセットで森づくり」に続き、各素材生産業者や森林組合などから若手林業従事者を紹介いただき、林業に入った感想などを聞くと共に、各事業体代表者などから人材獲得や育成について取り組んでいる工夫などを聞く。

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