松本システムエンジニアリングのフェラーバンチャザウルスロボ:林業作業を革新する高性能機械
「1台5役」の万能機能を持つフェラーバンチャザウルスロボ
松本システムエンジニアリング(松本良三社長)のフェラーバンチャザウルスロボが林内作業で活躍している。近年ではチェンソーのような切れ味を実現したDXシリーズが登場。路網作りや伐倒にフル稼働している。さらに、昨年発売したアタッチメント「ザウルスレーキ」との組み合わせで地拵えまで行えるようになり、更に便利な高性能林業機械になった。
伐倒、集材、整地といった工程を一台でこなせる「1台5役」の万能性が特長のフェラーバンチャザウルスロボ。従来製品のザウルスロボシリーズに格納式の刃物を装備することで、前述の作業に加えて立木の伐倒作業も可能としたハイブリッドマシンとして全国の林業現場で絶大な威力を発揮している。DXシリーズは従来機フェラーバンチャザウルスロボの強化型新モデルとして開発。適応ベースマシン6~9t、最大切断直径400㎜の「フェラーバンチャザウルスDX400」、同12~13t、500㎜の「フェラーバンチャザウルスDX500」、同15~16t、同500㎜の「フェラーバンチャザウルスDX500」、同20~25t、同600㎜の「フェラーバンチャザウルスDX600」の4モデルをラインアップしている。
従来機からの改良点は最大切断直径を拡大と、刃とバケットの位置関係を見直して立木に滑らかに刃が入る設計としたことでチェンソーで切断したようなきれいな仕上がりを実現させたこと。DXシリーズを導入して期待されるのが作業効率の大幅な向上。伐倒・集材・整地など複数の作業を1台でこなせるため、機械の乗り換えや作業員の移動時間を削減でき、特に新設計の刃により大径木の立木もスムーズに切断できるため、伐倒作業の精度も向上する。同社調べでは従来型フェラーバンチャザウルスロボと比較して30%の作業効率向上を確認。作業時間の短縮と生産性向上が叶えられると喜ばれている。また、 チェンソーを使った手作業での伐倒は、倒木の不安定さや刃物の取り扱いによる事故リスクが伴うが、DXシリーズでは再造林の際に邪魔な切り株を高さ15㎝以内に切り落とせるようになったことで機械化による作業者のリスク低減にも寄与。作業改善にも役立てられている。
更に作業範囲を拡大させるため、専用のアタッチメント「ザウルスレーキ」を昨年新たにリリース。フェラーバンチャザウルスロボで掴むだけで簡単に装着ができ、併用することで伐採後の地拵え作業も行えることに。1日に0.5~0.7haの切り地拵え作業が行えるとのこと。再造林に必要な整地作業が効率的に進み、次世代の森林育成がスムーズに行えると好評で、既存ユーザーを中心に注文が入っているそうだ。