新農水大臣に江藤拓氏 予算増額確保に注力 副大臣に笹川氏、滝波氏
11月11日、特別国会が招集、石破茂氏が内閣総理大臣に選ばれ、第2次石破内閣が発足した。新たな農林水産大臣には令和元年に第4次安倍第2次改造内閣で農林水産大臣を務めた江藤拓氏が再び任命された。
江藤氏は昭和35年7月生まれ、宮崎県出身。平成15年11月に衆議院議員初当選。20年8月農水大臣政務官、24年12月農水副大臣、26年9月衆議院農林水産委員長、令和元年9月には農林水産大臣も務めており、党の総合農林政策調査会長を務めるなど屈指の農政通。
就任時の記者会見では、党の調査会長として、基本法改正に深く関わってきたとしたうえで、「これまでの農政を今まで通り続けていくことが農業の未来には繋がらない。だからこそ基本法を改正した。しかし、基本法はあくまで理念法。この理念を実現するためには、まず基本計画をしっかりと策定し、それに基づく制度設計、そして必要な予算を確保することが不可欠。今まさに日本の農政は大転換が求められている。初動の5年間を農業構造転換集中対策期間と位置づけ、計画的かつ集中して必要な施策を講じることで強い生産基盤を確立し、人材の確保を図っていく」と決意を述べた。
食料自給について、基本計画での目標数値について問われると、「まだ数値を申し上げることはできない。ただ、これだけ国際情勢が混乱して、食料自体が戦略物資と言っても過言ではない時代になった。こうしたなかにあって、わが国は、今はお金さえあれば食べ物は手に入るという国ではあるものの、それが10年先、30年先、50年先も続くのかというと疑問だ。食料安全保障を確立するために、基本法の改正を行ったのだからそれに基づき、しっかりとした目標の数字を具体的に示したい」とした。
また、スマート農業については導入できる人は素晴らしい成果が出ているとした一方、「ただ、高い。本気で国がスマート農業を導入しなさいということであれば、国が(導入できる方法を)考えないとダメだろう。補助率もこれまで50%でやってきたがそれで良いのか。例えばハウスを立てるにしても、これだけ資材が上がってくると、10年前1000万円でできたハウスが2000万円、半分補助してもらっても1000万円。10年前だったら補助率ゼロではないかという話にもなる」と。そのうえで、「本気で国が進めるのであれば、国がしっかり支援すべき。だからこそ農水省の予算を大きくしなければならない。今の農家は大規模な設備投資をするだけの余力と体力はない。それどころか、クラスター事業で畜舎を建てた人が償還が始まって苦しいといっているのが現実。現実の声に耳を傾け議論していかなければならない」と語った。
なお、13日には臨時閣議で副大臣、政務官の人事が決定。副大臣は新たに衆議院議員の笹川博義氏、参議院議員の滝波宏文氏が就任した。
また、政務官については、庄子賢一氏が再任されたほか、新たに参議院議員の山本佐知子氏が就任した。