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座席ベルト義務化へ 農作業安全検討会SSも安全装備検査対象に 

 農水省は8月22日、第9回農作業安全検討会を開催、令和3年5月に同検討会が作成した中間取りまとめの取組状況が共有された。安全性検査制度の見直しについては、令和7年度から乗用型トラクターなど5機種を対象とした新たな安全性検査制度について紹介した。このほか、運転中の座席ベルトの義務化については、対象機種や適切な座席ベルト、適用時期などを関係機関と調整したうえで、次回検討会で具体的に示す、などと説明した。

  新たな安全性検査制度については、乗用型トラクター等5機種(乗用型トラクター、歩行型トラクター、自脱型コンバイン、乗用型田植機、乾燥機(穀物循環型))を対象として令和7年度から適用。また、旧基準の合格機への合格証の貼付は令和9年度を限度とする。令和7年度以降、新基準が設定されていない機種については、製造メーカー等の求めに応じて農研機構が行う「一般性能試験」において、旧基準等に基づく安全装備の状況を確認することも可能とする。
 SSについては、令和9~11年に新たな安全装備検査の対象とするよう、検討会において議論中で、転落転倒及び挟まれ対策の安全対策骨子の具体化を議論している。
 手続きの簡素化については、引き続き実機検査を基本とせざるを得ないものの実機検査省略の対象範囲の拡大や合格後の構造変更に係る手続きの簡略化、リモート確認手法の導入を通じて負担の軽減を図ることとした。また、令和7年4月以降の安全性検査では、量産化前試験、書面審査の適用拡大、検査の簡略化・検査手数料の低減、事後調査などの変更が行われることとなる。
 このほか、合格証票の表示については、各メーカーHP(各型式の紹介ページのトップページ等)やパンフレット(表紙等)の見やすい位置に掲載するなど表示ルールを統一する。なお、新たな証票のデザインについては、専門家に発注済み。
 また、中間取りまとめにおける「乗用型トラクターの座席ベルトについて設置義務付けの対象とすべき」との指摘に対しては、農機メーカー及び関係団体、関係法令を所管する国交省、警察庁に相談を実施。それぞれの担当部局から「検討の方向性」について、概ね理解を得た、と報告。具体的には、①走行速度が低速の車両も含めて座席ベルトの装備も義務化が必要ではないか②乗用型トラクター本来の目的である作業時に運転者の動作を妨げることのないよう、二点式の座席ベルトが望ましいのではないか――などが挙げられた。そのうえで、農水省からは今後、対象機種、適切な座席ベルト、適用時期(農業者への周知期間を考慮し、改正保安基準の適用日を交付日から1~2年程度の猶予を設けるよう求めることを想定)など、関係機関と更に調整し、次回以降の検討会で具体的に示す。
 なお、12月から2月に設定されている農作業安全研修実施強化期間(実施時期は都道府県や地域毎に変更可)では、農業機械事故の安全知識の向上を主なテーマとして、農水省作成のコンテンツを使用した30分程度の「基礎研修」の実施を基本とし、必要に応じて農機の操作方法についての研修(実践研修)を農作業安全に関する指導者を活用して実施する。

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