より参加しやすい環境直払に
みどりの食料システム戦略の実現に向け、支援策として期待される「環境保全型農業直接支払交付金」。これまで2期10年の間、取組が続けられており、着実に成果を上げてきた。今年で第2期の終わりを迎え、令和7年度からは第3期対策がスタートする。環境負荷低減の重要性が更に高まっていくなかでより多くの生産者が参加できるよう、より良い制度の検討を進めてほしい。
7月26日に開かれた同交付金の第三者委員会では、最終評価案が示された。具体的には、施策の効果として、地球温暖化防止については、温室効果ガス削減量は「堆肥施用」で5万4014tCO2/年、「カバークロップ」で3万3679tCO2/年など、全体としては約16万tCO2年の削減効果があったと評価。また、生物多様性保全については、令和3年度に実施した「生物多様性保全効果測定調査」により、取組による生物多様性保全効果が確認されるとともに、更なる効果として、環境保全型農業を面的にまとまりをもって取り組んでいる圃場では、指標生物スコアが概ね1ポイント程度高く、当該地域周辺の慣行圃場の生物多様性も向上していることが明らかになった、などと評価している。
また、最終評価のなかでは次期第3期対策に向けて検討すべき点として、①交付金の効果的な運用に向けた見直し②申請者の負担軽減に向けた対応③トレードオフ解消に向けた対応④全国共通取組の見直しと地域特認取組から全国共通取組への移行――の4点を挙げている。具体的には、①では、有機農業について、交付金制度の持続的かつ効果的な運用を考慮しつつ、移行期(一定期間)の取組を重点的に支援する。④では、「総合防除」の全国共通取組への移行、「化学肥料・農薬不使用栽培」は「化学肥料・化学合成農薬低減に資する取組」として措置し、有機農業と差別化したうえで支援対象とする、などを検討する。
これらの課題に対し、スタートまで残り8カ月となるなか、どのように対応していくのか注目される。
環境負荷低減の取組は、当然のことながら労力も含め「コスト」がかかる。一方でコストと見合った価格で販売できるかは不透明だ。農水省では、「みえるらべる」という名称のラベル添付を通じた消費者理解の増進の取組を推進するなど、環境負荷を低減した農畜産物の消費拡大に取り組んでいる。こうした取組も重要ではあるが、やはり交付金の形での支援はより効果が高く、その意義は高い。来年度からスタートする第3期対策において、より多くの農家が参加できるよう、今回の最終評価の内容も踏まえつつ、更に取り組みやすい制度へと磨きをかけていってほしい。
7月26日に開かれた同交付金の第三者委員会では、最終評価案が示された。具体的には、施策の効果として、地球温暖化防止については、温室効果ガス削減量は「堆肥施用」で5万4014tCO2/年、「カバークロップ」で3万3679tCO2/年など、全体としては約16万tCO2年の削減効果があったと評価。また、生物多様性保全については、令和3年度に実施した「生物多様性保全効果測定調査」により、取組による生物多様性保全効果が確認されるとともに、更なる効果として、環境保全型農業を面的にまとまりをもって取り組んでいる圃場では、指標生物スコアが概ね1ポイント程度高く、当該地域周辺の慣行圃場の生物多様性も向上していることが明らかになった、などと評価している。
また、最終評価のなかでは次期第3期対策に向けて検討すべき点として、①交付金の効果的な運用に向けた見直し②申請者の負担軽減に向けた対応③トレードオフ解消に向けた対応④全国共通取組の見直しと地域特認取組から全国共通取組への移行――の4点を挙げている。具体的には、①では、有機農業について、交付金制度の持続的かつ効果的な運用を考慮しつつ、移行期(一定期間)の取組を重点的に支援する。④では、「総合防除」の全国共通取組への移行、「化学肥料・農薬不使用栽培」は「化学肥料・化学合成農薬低減に資する取組」として措置し、有機農業と差別化したうえで支援対象とする、などを検討する。
これらの課題に対し、スタートまで残り8カ月となるなか、どのように対応していくのか注目される。
環境負荷低減の取組は、当然のことながら労力も含め「コスト」がかかる。一方でコストと見合った価格で販売できるかは不透明だ。農水省では、「みえるらべる」という名称のラベル添付を通じた消費者理解の増進の取組を推進するなど、環境負荷を低減した農畜産物の消費拡大に取り組んでいる。こうした取組も重要ではあるが、やはり交付金の形での支援はより効果が高く、その意義は高い。来年度からスタートする第3期対策において、より多くの農家が参加できるよう、今回の最終評価の内容も踏まえつつ、更に取り組みやすい制度へと磨きをかけていってほしい。