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目指せ林業プロ 我が社のホープ 100年残る山目指し 天竜フォレスターの奥山和夫さん

目指せ林業プロ 我が社のホープ 100年残る山目指し 天竜フォレスターの奥山和夫さん
静岡県天竜地域で素材生産や森林管理などを行っている天竜フォレスター=今井保隆代表取締役、静岡県浜松市天竜区両島925―1=には自主性を重んじ和気あいあいな社風に惹かれて入社する人が多い。今回話を伺った奥山和夫さん(37歳)もその一人で、Iターン出身者が多い中、30歳の時に埼玉県から家族ともども移住してきた。「前職より給料が下がらないこと、福利厚生がしっかりしていることが大前提という妻の条件で探していたら募集を見つけました。体験させてもらった際、若い社員さんが生き生きと働いていたのを見たのが決め手です」。
 ではなぜ林業に、との問には、「接客にふと飽きまして」とポツリ。レストランやカフェ責任者などをしてきたが常にストレスを抱えていたといい、林業のNPOを行っている知人に相談したところ、「それなら林業に向いているんじゃない?」と林業の何たるかを説かれ興味を抱いた。中学生の頃から釣りをはじめて今も生活の一部だといい、「山が荒れると海も駄目になる。それをつなぐ川も当然駄目になる。となると釣りができなくなり大変!」との使命感も背中を押したそうだ。
 入社当初はチェンソーなどハンドツール主体の作業だったが、去年からプロセッサなど高性能林業機械の操作も任されるようになってきた。「肉体的にきつい仕事だと聞いていたので不安でしたが思っていたよりやってこれた」と笑う。福利厚生も入社理由にしていただけに一般企業のような各種手当もつき土日も休みが取れるため、成長した子どもたちと過ごせて好きな釣りも継続でき「入ってよかった」と新たな生活スタイルを満喫しているようだった。
 「空気の良い環境で仕事ができるので以前のようなストレスは綺麗サッパリなくなった代わりに緊張感を感じながら仕事をしています」と奥山さん。特に原木を丸太という商品に仕上げる造材作業は売上に反映するのはもちろん、先人が丹精込めて育てた木に付加価値をつける重要な作業だが、キャビンの中から曲がりなど木を見極めるのがまだ難しいと苦笑する。「そうした技術や知識量について先輩方には歯が立たない。いつまで経っても自分を熟練とは言えないと思いますね」と頭をかいた。
 その現場作業員は12名で平均年齢は34歳。フォレストリーダー4名、フォレストマネージャー1名を筆頭に、静岡県伐木チャンピオンシップ優勝者など多士済々の面々が在籍しているとか。作業計画も3名の森林施業プランナーを中心に社員が作業計画を考え、週末にふりかえり次週の計画を練るなど、全て社員が進めていくのが同社のやり方。「先輩も後輩も志の高い社員が多いので雨で作業できない時など時間があれば意見交換しています。最近のテーマは『100年残る山を目指すには』。木自体がしっかり立っていられる状況を作り、継続していくにはどうすればいいか。自分も微力ながら頑張りたい」と決意を示した。
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 本レポートは各地のJ―クレジット発行体を取材した「カーボン・オフセットで森づくり」に続き、各素材生産業者や森林組合などから若手林業従事者を紹介いただき、林業に入った感想などを聞くと共に、各事業体代表者などから人材獲得や育成について取り組んでいる工夫などを聞く。

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