農林業機械・農薬・資材についての動向を紹介する

スマート農業技術活用促進法に関する説明会が九州・沖縄ブロックを皮切りに全国でスタート。法律内容の周知や意見聴取などが進められている（本紙既報）。更に今年10月１日の同法施行に向け、今後、国がまとめる基本計画の策定や、施行令、施行細則など、運用に関わる様々な事項が決められていく。
　そうしたなかにあって、何より重要なのは法律の直接的な対象者である、生産者や農機メーカー等に法律の意図、そしてどのようにその法律を活用するかが齟齬なく伝わることだ。説明会等を通じて、いかにわかりやすく丁寧に説明していくかが重要なポイントの一つとなる。あわせて農水省においては、現場では何が求められているのかを良く聞き、検討が進められている国の基本指針や施行令等に反映、より効果のある施策へとブラッシュアップしてほしい。
　また、農水省は情報発信という点では、「ＢＵＺＺ ＭＡＦＦ」などＳＮＳを活用した情報発信が他省庁と比べても進んでいる。こうしたＳＮＳを用いた発信にも期待したいところだ。
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　スマート農業技術活用促進法は、これまでも繰り返し紹介してきたが、生産と開発普及において、計画を策定し農水省の認定を受ければ、様々な支援策を受けられる、というものだ。具体的な支援策としては、税制の特別償却や日本公庫の新資金、各種法律の特例などがある。ただし、その前段である、計画の策定が大きなハードルとなってはならない。いかに使いやすい制度にしていくかが求められる。それらの進捗は、都道県別で開催予定の説明会などを通じ丁寧な説明を求めたい。
　また、今回の法律に盛り込まれた支援策以外にも、スマート農業技術の普及に向けては手厚い支援が必要だ。現在進行中の令和６年度予算及び令和５年度補正予算を例にみてみると、スマート農業技術の開発では、「スマート農業総合推進対策」や「スタートアップへの総合的支援」「スマート農業技術の開発・実証・実装プロジェクト」などが、また、スマート農機の導入については、「みどりの食料システム戦略推進総合対策」「農地利用効率化等支援交付金」「強い農業づくり総合支援交付金（農業支援サービス事業支援タイプ）」「産地生産基盤パワーアップ事業（収益性向上対策）」「担い手確保・経営強化支援対策」など様々なものがラインナップされている。これを今後も継続していくことが必要だ。
　８月末の令和７年度予算概算要求、そして補正予算などの検討が進んでいる。スマート農業技術の社会実装加速に向けて、こうした法律外の支援についても万全な措置をお願いしたい。制度開始まで約２カ月。残された時間は少ない。