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【目指せ林業プロ 我が社のホープ】-37-  地元の山の守り手へ 白石林業の白石智迪さん

【目指せ林業プロ 我が社のホープ】-37-  地元の山の守り手へ 白石林業の白石智迪さん
山に職場を移した人をこれまでにも紹介してきたが、今回の白石林業の白石智迪(ともみち・34歳)さんは航空自衛隊で8年務めてからこの世界に入った。入ったというより実家に戻ったという方が正しい表現か。同社は会社勤めをしながら昔ながらの半農半林な里山林業を福岡県筑豊地域東部の赤村で営んでいた父の白石孝司社長が平成4年に創業。それと同時に弟の尊史(たかふみ・32歳)さんと実家に帰り3名で農林業を行っている。「〝食べ物以外に水と空気も自給自足できる農家林家は俺しかおらんという気持ちでやっている〟という父の言葉に惹かれたのがきっかけ。誰でもできることではないと思いまして」と、国の守り手から山の守り手になった今の仕事ぶりを聞いた。
 素材生産と育林を中心とする林業の他に、15‌haの面積で福岡県だけで作られている水稲品種『夢つくし』を何と無農薬で作っているとのこと。大まかな作業スケジュールを聞くと、4月に春の田起こしをしてから5月に種まき・水入れ準備、5月末から6月に田植えをして7・8月は水管理や畦の草刈り、草取りなどを行い、9月に稲刈りと続く。「苗はポット苗を使ってます。ポット苗は流通がなく自分たちで作っていてその数は約4000枚で、…といっても農業を知っている人からはなかなか信じてもらえませんが」と付け足した。
 林業はその合間に除伐し、収穫後の10月から3月に育林と素材生産を本格化させているという。以前は地元赤村に林業家が数軒あったが、いつの間にか自社のみに。それと共に林業のボリュームが上がって現在の業態にシフトしはじめ現在に至った。「父の口癖は〝何事も自己完結できんといかん〟。林業も伐ったら植える、植林から素材生産まで一貫して全部できなければならないという考えを実践しています」。
 去年の素材生産量は2500㎥ほど。搬出間伐が主だったが一昨年から主伐の現場が増加。それまでは主伐も手切りで造材をしていたが高性能林業機械を使っての作業が増えてきたという。「機械を使用する際は主にレンタル。今後主伐に力を入れるなら機械を揃えなければならず、そうなれば、今までの作業体系で上手く回すには人手がいるなと。なので目下の課題は従業員を入れるか問題です」と笑った。
 戻って1年目は夏の下草刈りだけで20㎏近く体重が落ちたといい、「林業はとても大変な仕事」と智迪さん。それでも休日にはチェンソーを持って山に入って伐採したり山菜採りなどをすることが多いというから、自然の中で過ごすのが根っから好きなのだろう。今回の取材で、改めて今の自分を見つめ直す良い機会になったそうだ。その上で聞いた、〝林業の魅力とは〟の問いにこう答えた。「作業は危険と隣り合わせで、材価も上がらないなど大変なことも多いですが、気候変動の影響を受けている山を人の目が見えない場所で手入れし、地元に貢献していると感じられる仕事。ずっと続けていきたい」。
    ◇
 本レポートは各地のJ―クレジット発行体を取材した「カーボン・オフセットで森づくり」に続き、各素材生産業者や森林組合などから若手林業従事者を紹介いただき、林業に入った感想などを聞くと共に、各事業体代表者などから人材獲得や育成について取り組んでいる工夫などを聞く。

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