クボタ夏秋新商品5機種21型式発表
クボタ機械事業本部(渡邉大事業本部長)は、5月31日、5機種21型式の新製品を発表した。電動ミニ耕うん機、ブルスタ―エクストラ新型ロータリー、『トラクタTERAST(テラスト)』(25馬力・31馬力)、進化した、田植機ナビウェルNW60/80S、アグリロボ田植機NW80SA(有人仕様/無人仕様)。★は新機能。価格は消費税込み希望小売価格。
【電動式ミニ耕うん機菜レント(さいれんと)】
TME150(300W)、同200(600W)。
《開発の狙い》クボタの電動式ミニ耕うん機「菜レント」は、2012年の発売以来、家庭で充電できる電動式ならではの扱いやすさで好評を得ており、家庭菜園を中心に使われている。クボタではカーボンニュートラルな社会の実現に向け、温室効果ガスの排出削減や省エネルギーの推進、製品の燃費改善や電動化などを進めている。このほど、電動式ミニ耕うん機「菜レント」をモデルチェンジし、連続作業時間の延長や、初めての人にも扱いやすい新機能を搭載することで、より幅広いユーザー層に満足してもらえるようになった。
《主な特長》①連続作業時間の延長=★トランスミッションの変更により機械効率が向上。連続作業時間が約20%延び、余裕を持った作業ができる(TME150:従来機約45分→新型機約55分、TME200:従来機約60分→新型機約70分)。※連続作業時間は使用状況によって異なる。
②新形状の「簡単うね立てマット」&ワンタッチ切替機構を搭載=★標準装備で簡単なうね作りができる「簡単うね立てマット」の形状を変更。より軽い力でうね立てができるようになった。さらに、耕うん/うね立て状態と移動状態をワンタッチで切替えできる新機構を搭載。初めて使う人でも操作が分かりやすくなった。
③新デザイン&取扱説明QRコードを搭載=★クボタの家庭菜園向けミニ耕うん機のラインアップである「菜園倶楽部」の統一デザインを採用。さらに、スマートフォンをかざせば簡単に取扱い方法を確認できる「取扱説明QRコード」を採用。※通信料はユーザー負担。QRコードはデンソーウェーブの登録商標。
発売時期は2024年7月。価格はTME150が13万8600円、同200が20万1300円。
【ロータリ ブルスターエクストラ用ロータリ】
ホイルトラクタ用:RS115X(耕幅1110㎜)、同125X(同1210㎜)、同135X(同1310㎜)、同145X(同1410㎜)、同155X(同1510㎜)。パワクロトラクタ用:同125XPC(同1210㎜)、同135同(同1310㎜)、同145同(同1410㎜)、同155同(同1510㎜)。
《開発の狙い》小型トラクタ「ブルスターエクストラ」は2009年の発売以来、小区画ほ場のユーザーを中心にコンパクト・パワフルなトラクタとして好評。近年、水田の有効活用に向けた取り組みが進められ、小区画ほ場でも水稲だけでなく様々な作物の栽培が進められている。このほど、ブルスターエクストラ用のロータリをモデルチェンジし、整地性能や耐久性・メンテナンス性を向上させることにより、より幅広いユーザーに満足してもらう。
《主な特長》①整地性能の向上=★フラップカバーの追加により整地性能が向上。耕うん後の波打ち現象が発生しにくく、播種・移植など後工程の作業精度向上につながる②耐久性の向上=★ロータリサポートの軸径を大径化、板厚も増加させることにより耐久性を向上。作業時間の増加にも対応する③メンテナンス性の向上=▽爪軸保持部を分割方式に変更。左右のボルトを取り外すだけで爪軸交換が可能になった。爪軸交換時の作業時間短縮につながる▽★ギヤケースを分解せずにオイルシールの交換が可能。作業時間の短縮につながる▽★草の巻き付きを防止する「つきま線」の装着方式を変更。これまで耕うん爪の交換時などに分かりづらかった「つきま線」の装着作業が簡単▽★補助カバーの差し込み部に樹脂製ブッシュを追加。土詰まりを抑制し、アタッチメントの装着作業がスムーズに行える。
発売時期は2024年7月。価格は32万3400円~45万7600円。
【トラクタテラスト(ST25・ST31)】
ホイル仕様:ST25(25馬力)、同31(31馬力)、パワクロ仕様:同25―PC(25馬力)、同31同(31馬力)。
《開発の狙い》充実の基本装備とリーズナブルな価格設定で好評のニューグランフォースをテラストとしてフルモデルチェンジする。テラストのコンセプトは続ける農業を明るく照らす『ベーシック』×『イノベーション』を実現したトラクタだ。充実の基本装備とリーズナブルな価格設定の従来機の特長を引き継ぎつつ、操作性や居住性でさらに使い易く進化を実現。
主な特長は以下の通り。
《HST仕様(F仕様)の進化》①★フィンガータイプシャトルレバーと主変速レバー搭載(従来機は前後進、主変速一体型レバー)により操作性が大きく向上②★イージー3点セットの搭載でより使い易く進化=▽イージーセレクト:主変速レバーを「ひねるだけ」で簡単に有段、無段の切り換えができる。有段変速は速度の再現性に優れ、ねらった設定速度で作業したい場面に有効。無段変速はスムーズに変速でき、うね立てや畔塗りなど段差を抑えたい作業に有効▽イージーブレーキ:クラッチを踏まずブレーキを踏むだけで停車することができる。ブレーキを踏み込むと停車するが、ブレーキを軽く踏むと減速しブレーキ操作だけで車速調整を行うことができオートマ車感覚で操作が可能▽イージーターン:旋回時に自動で減速する機能により、慌てることなく簡単、安心な旋回ができる。ワンタッチ耕うんモードスイッチの設定でこの機能を簡単にオフにできる。
《キャビン仕様(Q仕様の進化》①★側面のフレームを廃止した4柱式ラウンド型キャビン搭載(従来機は6柱式キャビン)で視界性が大きく向上した。また密閉性向上により従来機に比べ低騒音を実現、快適性が向上②★キャビン仕様にはペダル式ハンドルチルトを搭載し、屈むことなく楽な姿勢でハンドル位置の調整ができる③32ℓ大容量燃料タンク(従来機FT240は28ℓ、FT300は27ℓ)を搭載し、給油回数を低減できる④作業機水平制御(モンロー)、作業機自動上昇(旋回オートアップ、バックアップ)、深耕自動制御、AD倍速ターン等、充実の基本装備を搭載。ワンタッチ耕うんモードスイッチでこれらをワンタッチで設定することができ、容易に作業を開始することができる。
《新エンジン、デザイン、その他》①★国内特殊自動車排ガス4次規制に適合したV1505(4気筒)新エンジンを搭載。トラクタと一体開発し、ベストチューニングされたエンジンが力強い作業を支える②★ニューデザインボンネットを採用。スリム化により死角が減少し、前方視認性が向上した。内装も黒色基調とし、洗練された2色使いのレバーグリップを採用する等、デザイン性が向上した③★メーターパネルには従来機にはない車速表示を追加。作業に合わせた車速の確認ができる④★ブザー警報によりシートベルトの着用忘れを防ぐ「シートベルトリマインダ」、離席を検知するとPTOを停止する「PTOインターロック」を搭載し、新安全性検査適合基準に対応。
発売時期は2024年10月。価格は299万5300円~534万7100円。
【田植機ナビウェル(NW60S・NW80S)】
NW60S(ディーゼル6条植)/同80S(ディーゼル8条植)。
《主な特長》①直進キープ機能=★好評の直進キープ機能がさらに使い易くなった。「GSかんたんスタート」は、起動条件が整えば、自動的にGS(Go Straight)がスタート。ハンドル操作に集中でき、隣接合わせがし易くなった。10周年を迎えたKSASと連携した「GSリンク」は、基準線をKSASサーバに自動で送信するので、2年目以降の基準線の登録が不要となり空走りの手間が省ける。
②2WAY予備苗台&苗箱ラック=★レール式と段積み式の切替を簡単に行え、ほ場条件に関わらず使用できる。また、苗箱ラックは、苗の補給後に置き場に困っていた苗箱を片側4枚ずつ収納可能。補助作業者の作業負担の軽減に寄与し、苗補給にかかる時間を削減、作業能率がアップする③新スーパーゆう優ターン(GS仕様のみ)=★植付作業時の隣接旋回において、ハンドル操作だけで植付部の昇降操作、植え揃えを自動で行う機能がさらに進化した。従来の「ハンドル切れ角センサ」と「後車軸回転センサ」を使用したシステムから、車速(GNSSユニットで検出)に連動して自動的に植付部の下降タイミングが変更される「旋回角度制御」を追加し、従来機比、旋回速度を約35%(クボタ調べ)までアップさせることが可能となり、作業能率向上に寄与する④ヘッドライトお知らせ機能=★ヘッドライトで、資材(苗、肥料、薬剤(除草剤のみ))切れしているか否かを補助者に伝達する機能。苗、肥料の施用忘れがなくなり、田植後の無駄な補助作業(補植、補肥)を回避できる。資材切れの状況を把握することで事前に準備を行えるので補給作業の効率化に繋がる。
⑤新シート・アームレスト=★シートの素材変更で座り心地を改善し、8条GS仕様にはアームレストを追加した。ほ場での疲れの原因となる振動などに対しての負担が軽減する⑥工具レスアンテナアーチ=★ダンパと手動解除式のロックピンで、工具を使うことなくGNSSアンテナアーチの作業状態、収納状態の切替えができる。作業の前後の輸送時や長期保管時などの手間を削減する⑦メインパネル=★表示のデザインを一新、見やすさを改善した。屋外でも見やすく、作業の確認を安心して行える。
⑧可変施肥機能(PF仕様)=★8条に加え、6条で新たに型式採用した。KSAS(クボタスマートアグリシステム)上で事前に作成した施肥マップを受信することで、計画通りの可変施肥を行い、稲の生育のバラつきを抑え、食味・収量の安定が期待できる。※同機能の使用には、KSAS営農支援コースに入会する必要がある。
⑨直接通信ユニット搭載=★8条及び6条PF仕様には直接通信ユニットを搭載しており、機械の位置情報・稼働情報を活用したサービス「MY農機※」を利用することができる。また、KSAS営農コースで、ほ場及び作付計画を登録し、同機で作業を行うと、モバイル操作無しに自動で作業日誌が作成される。※機械の状態やメンテナンス記録が管理できるKSAS(クボタスマートアグリシステム)機能。
発売時期は2024年10月。価格は356万7300円~508万5300円。