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タイショー 畝立同時高速施肥機 うね内2段局所施肥のGRANVISTA

タイショー 畝立同時高速施肥機 うね内2段局所施肥のGRANVISTA

 タイショー=茨城県水戸市元吉田町=が農研機構の緊プロ事業(2014年~2016年)で上田農機=長野県東御市滋野乙=と共に開発した畝立同時施肥機「GRANVISTA」の実証結果が今年2月、都内で開催された全国農業システム化研究会で佐賀県農業試験研究センターから報告された(ブロッコリで昨年9月実施、別掲)。元肥、追肥2回を1工程で行うことにより作業時間を削減、かつ化学肥料を削減しながらも増収、高品質を実現できることが数値で示された。タイショーの井坂博道常務取締役開発部長、高野恵輔係長、営業部の中川正太係長に、同機について聞いた。

 ――開発を振り返って。
「GPSを用いた車速連動の肥料散布機は既に2011年から販売。これをベースに開発したわけだが、高速(5㎞/時)かつ大量(100㎏~250㎏/10a)、高精度に散布することはなかなか簡単ではなかった。畝立ては上田農機さんの担当だが、土質を選ぶので、苦労されているようだ。特に今回、佐賀で試験を行ったほ場は粘土質で水分が多く、固めにくいというのがあったようだ。今後、産地で普及しつつ適合させていくことになるだろう」
 ――普及状況。
「農家の導入実績はブロッコリではいまのところはない。キャベツを主に10数台といったところ。キャベツの大産地、群馬県嬬恋村は土質的にも適するが、2段施肥ではないものの、三兼ライムソワー(上田農機)を殆どのキャベツ農家が所有しているため、難しい。しかし今後、生産の大規模化が進む中で、全国の野菜産地で大いに期待できる機械だと思っている。普及所と共に実証、実演も各地で展開しているところだ。5㎞/時(従来は1㎞~2㎞/時)の速度で作業ができるため、大規模農家では作業時間の短縮効果が確実に実感してもらえるはずだ。また、今回の実証試験にもある通り、①追肥無しでもOK(作業時間短縮)②減肥効果③10aは肥料補給なしに散布できるなどの導入メリットも評価頂けると思う。燃料高騰対策の補助金で、鹿児島県では5台まとめて導入頂いたが、非常に好評だ」
 ――適する作物・地域。
「これまでの試験ではキャベツが最も適しているが、同じアブラナ科のブロッコリやハクサイでも好結果が得られている」
     ◇
 同社のカタログから主な特長と主要諸元を紹介する。
【GRANVISTA―KUTシリーズの主な特長】①キャベツ栽培などに大切なうね立てと施肥作業が同時に、高速・高精度でできる。施肥量の適正化や高速作業で効率化や自然環境にも配慮。ユーザーの省力、軽労化を実現する②高速畝立て=リッジャ/ボビンローラ方式を採用(ロータリーを用いず、リッジャによって作溝・土寄せを行う簡易耕起方式、畝成形はボビンローラによる成形方式)し、最大作業速度は5㎞/時(ロータリーとの比較で作業能率5割アップ)③うね立て同時二段局所施肥=生育ステージに合わせた肥料の供給が可能になった。これにより施肥量を約3割削減。畝の上層・下層部施肥に対応するホッパーは工具不要で簡単脱着できメンテナンスも簡単④コントローラーで散布量を制御。同社独自の調量機能(特許取得済み)により、散布ムラが少なく、散布精度±5%を実現⑤GNSSセンサー/傾斜角度センサー=位置情報を取得、車速と連動。傾斜角度センサ―で傾斜地作業にも対応。高精度に施肥する。
【KUT―360―GP主要諸元】▽ホッパー容量=上層(粒状化成):55ℓ×1、下層(粒状化成、ペレットも可):165ℓ(55ℓ×3)▽散布量(作業速度4㎞/時)=上層:10~30㎏、下層:100~250㎏▽施肥位置・深さ=上層:うね中央・3~8㎝、下層:同・15㎝▽重量=450㎏▽うね幅・うね数=60㎝・3条▽適応トラクタ=35馬力以上▽取付位置=標準3P手動装着。

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