クボタ GROUNDBREAKERS2026 最新の農業技術集結 乾直から再生二期作まで
クボタ主催イベント「GROUNDBREAKERS2026」
NewsPicks共同企画「GROUNDBREAKERS AWARD」開催
クボタが主催する農業イベント「GROUNDBREAKERS2026」と、NewsPicksとの共同企画「GROUNDBREAKERS AWARD」が1月16日に開催された(本紙一部既報)。「GROUNDBREAKERS2026」では営農ソリューションや基本性能の開発、再生二期作などに焦点を当てた。また、「開拓者」として地域で先進的な取組みを進める生産者の事例も紹介され、当日は全国から約1万7000人が視聴し、大きな注目を集めた。
冒頭、花田晋吾社長が「日本の農業を支える皆様へ」と題してオープニングメッセージを寄せ、「生産者の激減、厳しい温暖化の影響のなかでも、自分が最後の砦になると地域で頑張っている生産者の方も多くいる。クボタも皆様の抱える課題に正面から向き合い、変わる勇気を持ち、変化を先取りした挑戦を通じて皆様を支えていく」と力強いメッセージを発信し、GROUNDBREAKERSは開幕した。
MCはクボタ農業ソリューション営業部の佐藤洋志氏、ゲストには科学とDXを活用してネギを生産するアイ・エス・ネクストの酒井貴弘代表取締役を迎えて進行した。
【農業経営を支えるクボタの営農ソリューション&新商品】
クボタが全国の農家や自治体と連携して取り組む営農ソリューションの実証事例を報告した。
●稲作分野
滋賀県では乾田直播の省力化効果を検証。100馬力トラクタと不耕起汎用ドリルによる播種作業は10a当たり約6分で、従来の移植(5人・約15分)に比べ大幅な効率化を確認した。作業全体でも約90分短縮され、10ha規模では150時間の短縮が見込まれる。
また、均平化・雑草対策・水管理をガイド通りに行うことで、乾田直播でも安定収量が確保できることが示された。
熊本県阿蘇市では無人運転アグリロボ田植機と有人機の協調作業を検証。密播技術の併用で苗箱数を17~18箱から10箱程度へ削減でき、苗補給の手間を軽減。育苗ハウス増設なしで作付け拡大が可能であるメリットも確認された。
福井県中山間地ではアグリロボの実演を通じて「山間部でエラーが出ず作業できるか」という不安を解消。身体的・精神的負担の軽減が大きいことが語られ、2台体制での運用も検討されている。
●野菜作分野
島根県津和野町の業務用キャベツ栽培では、省力化技術を検証。歩行型管理機で10a当たり約90分かかっていた中間管理作業が、ナビライダーNR17の導入で約30分に短縮された。中耕除草・追肥・防除もアタッチメント交換で対応できる。
防除作業には農業用ドローン「T25K」を活用。従来の高床運搬車や背負い散布に比べて作業時間が大幅に短縮され、KSASと連携した飛行・散布記録の自動保存も評価された。
●経営安定化
作業記録・機械稼働・生育・資材使用量・収量をクラウドで管理する「KSAS」の活用事例も紹介。秋田県大仙市の法人では、業務の見える化により翌年改善につながり、規模拡大後も作業日数を抑えた効率化が実現している。
衛星リモートセンシング、生育把握・可変施肥、24時間AIチャット、販路拡大支援など新たな取り組みも発表された。
●2026年新商品
・普通型コンバイン「KRH450」(45馬力)—KSAS連携、収量測定仕様は大豆に対応
・5条植え田植機「NW50S GS仕様」
・ノーアンテナ仕様を追加した「ナビウェル」シリーズ
・大規模農家向け湛水直播機、改良型一輪管理機、枝豆コンバイン、高出力農業用ドローン「T70K」 など
省力化・高効率化を軸にした次世代農業を支える製品群が多数投入される。
【未来への系譜―農業の進化を支える基本性能の開発】
トラクタ・田植機・コンバインの研究開発を通じ、未来のスマート農業を支える基本性能の進化が紹介された。
クボタの開発軸は「ユーザー目線」と「現地現物主義」。
田植機「ナビウェル」では湿田対応を求める現場の声に応え、重量バランス・構造を根本から見直し走行安定性を向上。高速度カメラによる分析で植え付け精度も改善し、GPSによる株間キープ機能で資材費削減にも貢献している。
コンバインでは脱穀・選別性能の最適バランスを探るため、現地テストに加えスーパーコンピューター解析を導入。「機械を止めない」品質を実現し、スマート農業の基盤となっている。
【テーマコンテンツ:地球温暖化は敵か味方か?暑さに適応する農業】
農研機構中日本農業研究センターの中野洋氏が、温暖化を逆手に取る稲作技術「再生二期作」を紹介。
春と秋の気温上昇により稲の生育期間は約20日延長し、1回の田植えで2回収穫することが現実的に。
成功の鍵は、1作目を約40cmの高刈りにして切り株に葉を残し糖分を蓄積させること。4月上旬の早期田植え、適切な追肥管理も重要となる。
千葉県柏市・柏染谷農場では2作目でも3~4俵の収量を確保。
課題として、草丈が短くなるため自脱型コンバインでは収穫ロスが生じやすく、汎用型コンバインが必要となる点が挙げられる。同農場では大豆・小麦用の汎用型コンバインで対応している。
農研機構では短期間で再生可能な品種、自脱型対応品種の研究が進む。
クボタでも汎用型コンバイン「DRH1200」で1期作目を収穫したところ、自脱型と遜色ない選別性・ロスを確認。アグリロボコンバインによる踏み跡最小化で収量向上への貢献も示された。





