農林業機械・農薬・資材についての動向を紹介する

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アグリテクニカのソリューションハイライト 

アグリテクニカのソリューションハイライト 

センシング機器進化 自動運転、ロボット化加速

 ドイツ農業協会(DLG)主催の農業機械展「アグリテクニカ2023」が11月12日~18日までドイツ連邦共和国のハノーバー国際見本市会場で開催された。52カ国2812の出展者が製品・サービスを展示する中、本紙は12・13日に北農工の竹中秀行専務理事一行とAVFアグロテックバレーフォーラムブースなどを同行し、主催するDLGへインタビューを実施、14日に主要メーカーブースを取材した。そうした中で見つけた最新ソリューションのハイライトを紹介する。

 アグコ

                フェントのHVOトラクタ

ヴァルトラやマッセイファーガソンなど各種ブランドを持つ中からフェントブースに注目。従来のエンジンモデルの全ての機能が使用でき、果樹園などで活用できる電動トラクタ「e107Ⅴ Vario」(既販)や作業機とともに、キャビンの上にタンクを設置した水素トラクタや次世代の代替エネルギーを使用するコンセプトトラクタが展示されていた。
 その中の一つであるHVO(水素化植物油)を燃料とするモデルではCO2排出量を最大90%削減し、最も効果のあるパワーユニットとして紹介されていた。このほか、メタノール燃料電池や水素エンジンなども展示。また、左右だけでなく前後の動きで水平に保つトップリンクも新しいソリューションとして展示した。

ジョンディア

                ジョンディアの除草機械

今回もブース面積を大きく取り、無人トラクタをはじめ、来場者を引きつける次世代製品ラインアップを展示。その中から注目したのはビデオ画像分析を使用して栽培エリア内の雑草を機械的に除去する装置で、実演が行われていた。
 個々の植物の位置を特定して最先端のカメラ制御を駆使して株間まわりの雑草を三日月形の刃でクルクル回転して確実に除去していく。有機栽培や除草剤が使えない薬草の栽培に利用されているシステム。日本でも試した農家もいるとのこと。横には同機構を搭載したカルチベータ―も展示。既に販売中で、1m~28mまで対応している。

CNH

CaseIH、NewHollandブランドを持つCNHは今回、新型ツインローターコンバインで、イノベーションアワードのゴールドメダルを受賞。また、4つのシルバーメダルをグループ製品で獲得するなど、インパクトを与えていた。
 なかでも、ニューホランドは、メタントラクタをはじめ、「炭素排出低減」の機構を搭載した革新的で環境に優しいバイオ燃料技術を備えたコンセプトトラクタを披露した。このうち、シルバーメダルを受賞したバッテリー駆動のT4電動トラクタは最大の生産性と効率性を保証する自律機能を備え、同時に排気のない静かな電力を提供。屋根の上にLiDARを搭載しているほか、カメラも搭載。自らの動きを認識し、動く機能を持ち、人が飛び出しても自動でストップするので農作業安全にも貢献する。

クラース


キャビンのない完全無人で75馬力相当の自律型フィールドロボットを出品。ディーゼルと電気のハイブリッド機構。現時点で想定している作業はモア作業などだが、デモ動画では土耕機系の作業も公開していた。作業を行うにあたっては、衛星でほ場データをPCで解析して計画を立て、進めていくことを想定。気象や土壌のセンシング機構も搭載しているとのこと。また、585馬力の自動トラクタも展示した。

マスキオ

 

              

未来のブドウ畑の管理作業に貢献する地上ドローンコンセプトモデルを発見。商品名は「FREE GREEN NATURE」。ガスパルド社とのコラボレーション機で、衛星で位置情報を把握し、自動で動く。紫外線で害虫をコントロールするほか、除草作業にも活用できるという。10‌kWのリチウムバッテリーを搭載しており、エンジンで発電して駆動は電気式となっている。

モノセム

 

真空播種機とカルチの専門メーカー。ASG(アクティブシードガイダンス)を使用したコーンエイガーは来場者の注目を集めていた。ASGとは播種速度に適応する種子誘導システムで、精度の高い播種を実現している。

アマゾーネ

 風量によって散布を補正するウインドコントロールなど、数々の散布機構で受賞してきた同社の最新機構が、コーナリング時同じ量を撒くと内輪差により内側が濃くなってしまうことを防ぐために散布パターンを調整できる「カーブコントロール」機能だ。今回、会場では、同機能を搭載したブロードキャスタを披露。今回のイノベーションアワードでシルバーメダル受賞した。
 真っすぐだけでなく変形ほ場にも対応するために開発。「ドイツでは農薬や肥料散布の規制が強くなっており、正確な散布テクノロジーが強く求められてきている。肥料の散布の仕方もガラッと変わる可能性があるため、今後更に精密性が求められると考えている」と担当者。

ポッティンガー

地面の凹凸に対応し、スムーズで安定したバッククラッシュのない駆動を実現した作業幅11mの最大マウンテッドテッダーが印象に残ったが、今回注目したのは機械式カルチベーター。
 欧州ではグリホサートの販売禁止の動きを見据えて農薬に替わる除草技術の開発またはそうした技術を持つ企業のM&Aの動きが活発になっているといい、同社も企業買収してラインアップに加えた機械式カルチベーターを展示した。

ナイオ

                ナイオの自動ロボット
フランスのロボティクスメーカー。
 除草ロボット「ORIO」はRTKGPS信号に基づく誘導システムにより、正確な作業を実現。同ロボットは、作物に合わせて3点リンケージにより播種機などのオプションを追加して使用できる。レタス、玉ねぎ、にんじん、パースニップ、キャベツ、リーキ、カリフラワー、各種のハーブ(ニンニク、シランドロ、ミントなど)などに使用することができる。世界中で50台が稼働しているという。
 また、世界で300台稼働している小型の「OZ」についても実機展示していた。

Agilehelper

         Agilehelperの自律型りんご収穫機

スロベニアの企業で、自律型多機能電動ロボットを実演していた。リンゴをカメラで認識し、アームを伸ばして収穫していく。最大3倍のコスト効率が図れ、現在はサイズと色判断を行っているが、将来的には糖度や熟し具合なども判別することを目指していた。
 操作にはGNSSまたはインターネット接続が必要。同機の価格は日本円で1300万円ほど。収穫作業の他にパーツを変えることでマルチング、芝刈り、枝切などの作業にも使うことが可能だといい、15~20‌haの農家が使える機械を開発していると紹介した。
 同技術は現時点ではリンゴのみだが、来年はブドウでの収穫でテストするといい、オレンジなど丸い果物の収穫にも応用したいと考えているとのこと。

レムケン

            レムケンのツールモニターシステム


キャビンのない自律走行型トラクタに装着しているスタブルカルチに搭載したモニタリングシステム「iQblueツールモニタリング」が今回のイノベーションアワードでシルバーメダルを受賞した。高性能なカメラを搭載することでカルチベータ動作中の状態をモニタリングすることができる。このため、耕うん爪の損失や摩耗の可能性を検出し、タイムリーな警告により、手動、半自律、または完全自律アプリケーションを通じて早い段階でツール交換を行えるため、作業の品質確保や、さらなる破壊を防ぐことができる。
 大規模ほ場で人から離れた場所では、爪の欠損などを確認することは至難なことから、同システムは展示している自動運転車においては不可欠なシステムとなる可能性を感じた。

SAPHIRマシーネンバウ


              SAPHIRのGrindStar

 同社が展示したGrindStarは、土壌を超平坦(最大2㎝)に耕す受動回転ローター。個々のローターの直径は75㎝で、その円周の半分が角度のついたツールで常に地面に接地。各ローターは平行四辺形でガイドされるため、土壌の表面を平坦に調整することができる。映像を見る限り超表層の混和作業のため高速で作業ができ、細かい土を放出し収穫残渣を調整してすぐに分解していた。
 こうした点などが評価され、イノベーションアワードのシルバーメダルを獲得していた。

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