松本システム フェラーバンチャザウルスDX、林機展で実演

抜群の切れ味、切断径増大 「トリケラ」に新機能追加
毎回林業展で次世代を睨んだ試作機を展示実演する松本システムエンジニアリング(松本良三社長)の今回の目玉機の一つが新登場した強化型「フェラーバンチャザウルスDX」。切れ味が鋭く進化した作業を実演する。また、新機能が加わった0・25クラスのハイブリッドハーベスタ「トリケラ」も稼働。この他、再造林アタッチメントも実働展示する。
ウルトラザウルスロボに格納式の刃物を装備することで、路網作設、グラップル作業から立木の伐倒作業まで1台で行うことができる〝1台5役のスグレモノ〟として知れ渡っている松本システムエンジニアリング=福岡県糟屋郡篠栗町和田5―2―25=のフェラーバンチャザウルスロボ。今回その強化型新モデル「フェラーバンチャザウルスDX」が同社ブースでお披露目される。
刃とバケットの位置関係を大きく見直すことで刃が立木に滑らかに入るようになり、最大切断直径は500㎜(45FGZX―DX・55FGZXーDX)に増大。また、チェンソーでの切断面と見劣りしない切れ味を実現した。先日も北海道で0・45モデルを用いて伐倒試験を行い、あの硬いカラマツを滑らかに切断。「スペック上は50㎝までとしているが、56㎝の立木も切断できた」とのこと。用材の伐倒にも使うことができる切れ味に絶対の自信を見せており、実演が楽しみだ。
適応ベースマシン6~9t・最大切断直径の400㎜の「MSE―25FGZX―DX」、同10~13t・同500㎜の「MSE―45FGZX―DX」、同15~~16t・同500㎜の「MSE―55FGZX―DX」、同20~25t・同600㎜の「MSE―70FGZX―DX」の4型式をラインアップ。MSE―25FGZX―DXとMSE―70FGZXーDXは近日発売予定。
また、今回は0・25クラスのハーベスタ「トリケラ/MSE―TR450―A)に追加された新機能も披露する。
「トリケラ」のポイントは送り方式についてローラ式とストローク式のハイブリッド方式なことと操作の自動化を進めたこと。形状を最適化したカッター刃と高トルクの油圧モータ式フィードローラの組み合わせでヒノキのような堅い材や曲がり材も滑ることなく確実な送材を実現。ローラ送りで切断できない枝を0.5秒で判定し、切断できないと判断すると自動的にカッターユニットがストロークして5.5tの推力で枝を切断。オペレータはストレスなく造材作業が行える仕組みになっている。
今回披露する新機構は①チルト角を最大45度としたことで、急傾斜にも対応②ローラー・ストローク動作とストローク単独動作を併用できるようにした点。実際に稼働する様子を披露するので新機能を確認したい。
この他、再造林用アタッチメントの草刈機『アマルガロボ』と植栽機『テリジノロボ』も実働展示。アマルガロボは5tクラスのミニ建機に装着可能なアタッチメントで、全旋回式ローテータを採用。スイング機構で左右45度のスイングができ、キャビン内にいながら下草刈りできるのがポイント。植栽機のテリジノロボは、4~5tのミニ建機に取付けられるアタッチメントで、掘削から植付け、転圧まで自動で行う仕組みになっている。また、ラジコン式伐倒装置「シン・ラプトル」など、多彩な製品や機能も紹介する予定。
植栽機「テリジノロボ」
松本社長の〝安全な林業現場の実現〟に向けた開発に注目したい。