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光るセンスと向上心 開発型企業 丸七製作所の泉登香奈恵さん

光るセンスと向上心 開発型企業 丸七製作所の泉登香奈恵さん
阿部社長と泉登さん

 開発型企業、丸七製作所(東京都足立区千住)の阿部信一社長が期待を寄せる、第一線で働く女性として、同社山形事業所の開発部主任の泉登香奈恵さんを取材した。彼女は入社から10余年。現在では、いくつかの製品の開発担当責任者として、設計から試作、完成までを一括して任せられている。

  
阿部社長は、「当社は男女問わずやる気のある人には積極的に重要な仕事を任せている。彼女の仕事に取り組む姿勢からは、お客様が求めているものを的確に捉えるセンスと共に、高い向上心が感じられる」と語る。
 彼女は山形大学の工学部の出身でいわゆる「リケジョ」。学生時代は、男性部員の中で紅一点の自動車部に所属。日々自動車いじりに励み、時には大勢でドライブをするなど充実した日々を過ごしてきたとのこと。このころから機械いじりの面白さに目覚め、卒業後は製品開発の技術者を求めていた同社の門を叩いた。
 入社後は、製造現場における組み立て等の実習を経て、希望の研究開発部に配属。最初に主担当として任せられた仕事は、〝蕎麦専用の自動製粉機〟。人間工学に基づいた配置により、製粉機と篩機を複合機として一体化し、自動で玄蕎麦から効率よく蕎麦粉を生産する製粉機だ。「複雑な製粉作業をこの一台で簡単にできるように集約することで、ユーザーの生産性を向上させたかった」と泉登さん。開発に際し、実際に近所の製粉工場に頼み込んで、何度も足を運び、間近でその作業工程を学んだ。苦労した点について、「全体を自動制御する技術や仕上げ時の機器間の接合部の調整。複数の作業工程を一度に行えるようにする能率のバランス配分は念入りにチェックした」と振り返った。
 阿部社長も「この自動製粉機は利便性に優れているだけでなく、お客様の収益向上にも貢献し、大変重宝頂いている。期待通りの素晴らしいものに仕上げてくれた」と評価した。
 泉登さんは、自分が開発した最初の一台が出荷された時の心境を、「喜びと共に、世に出すことへの責任の大きさを強く感じた。お客様目線での製品開発の重要性を改めて認識した。使う人が喜ぶ良い製品を作りたい」と語るなど、持ち前の真面目さと共に高い職人気質をも覗かせた。
 最近では、特に感性が要求される自社のHPや、カタログ類の作成も担当。今後益々の活躍が期待されている。

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