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農水省等シンポ コンポスト化し販売 安全性・品質確保し拡大へ

農水省等シンポ コンポスト化し販売 安全性・品質確保し拡大へ
わが国では、ウクライナ情勢などの影響から輸入肥料原料の価格が高騰するなか、国内未利用資源の利用拡大により、肥料の国産化・安定供給が求められている。
 未利用資源の一つとして注目を集めるのが「下水汚泥」だ。リンなどの成分を含んでいるもののその利用には様々な課題があり、これまでは進んでこなかった。そうしたなかで、昨今の情勢から、官民検討会が立ち上げられ、課題解決に向けた議論が行われるなど、大きく動き出している。
 また、管轄する農水省と国交省では、情報発信も積極的に行っており、8月8日には「下水汚泥資源の肥料利用シンポジウム」を開催している。同シンポジウムは、下水汚泥資源の肥料利用の意義や先進的な取組事例等について、事業者、生産者や消費者を含めた関係者に広く情報発信を行い、下水汚泥資源の肥料利用の活用の機運醸成を目的としたもの。
 冒頭、農水省大臣官房審議官(技術・環境)の秋葉一彦氏が、「農水省としては、下水汚泥資源を原料とする肥料の安全性と品質確保に取組みつつ、国交省、農業分野、下水道分野の関係者と連携し、利用拡大に努める」と挨拶。また、国交省の水管理・国土保全局下水道部長の松原誠氏は、「国交省では、下水汚泥の肥料利用の手引き策定や、取組の事例集作成なども予定している。究極の循環型社会を目指し、下水汚泥は肥料利用されて当たり前というところを目指して取組んでいく」と述べた。
 その後、農水省が「下水汚泥資源の肥料利用に向けた動きについて」、国交省が「下水汚泥資源の肥料利用拡大に向けて」と題して講演。続いて、各地の取組事例の紹介が行われた。このうち、山形県鶴岡市の上下水道部下水道課の松浦正也氏は、「鶴岡コンポスト」について説明。それによると、同市では、下水道整備当初から汚泥の農業利用を調査・検討してきたという。そのうえで、昭和61年から鶴岡浄化センターで発生する汚泥をコンポスト化し、「鶴岡コンポスト」として市内のホームセンター等で販売。緑農地に還元することで、循環型社会の一端を担っている。
 このほか、兵庫県神戸市の「同市下水道事業における汚泥肥料化の推進」、農研機構の「汚泥肥料の肥効特性の解明と肥効見える化システムの構築及び実証」などが紹介され、第2部ではパネルディスカッションが行われた。

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