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4年度 食料自給率37・64% 食料安保の確立へ厳しさ続く

農水省はこのほど令和4年度食料自給率・食料自給力指標を明らかにした。食料自給率のうち、カロリーベースは、整数値では38%と前年並みとなっているが小数点以下までみると、37・64%で前年の38・01%から0・37ポイントとわずかながら減少した。また、生産額ベースでも58・03%と前年の63・41%から5・38ポイント減と大幅に減少。食料自給力指標についても減少傾向で推移しており、改めてわが国の食料安全保障を巡る情勢の厳しさがあらわになった形だ。

 このほど公表された令和4年度の食料自給率及び食料自給力指標によると、カロリーベースでは、前年豊作だった小麦が平年並みの単収へ減少(作付面積は増加)したほか、魚介類の生産量が減少した一方、原料の多くを輸入に頼る油脂類の消費減少等により、整数値では前年と同じ38%となった。これを小数点以下まで含めると、37・64%で前年の38・01%から0・37ポイントとわずかながら減少する結果となった。令和12年度45%という目標達成に向け、更に厳しい状況だ。
 また、カロリーベースの食料国産率(飼料自給率を反映しない数値)は整数値では47%、飼料自給率は26%などとなっている。
 生産額ベースでみると、食料自給率については、輸入された食料の量は前年度と同程度だったものの、国際的な穀物価格や飼料・肥料・燃油等の生産資材価格の上昇、物流費の高騰、円安等を背景に輸入価格が上昇して輸入額が増加したことにより、前年度から5ポイント下がって58%となった。小数点以下までみると、58・03%と過去最低だった前年度(63・41%)から更に5・38ポイント低下したことになる。
 なお、品目別の自給率をみると、米は99%、小麦は15%、大豆6%、野菜79%、果実39%(うちうんしゅうみかんは102%、りんごは59%)となったほか、主食用穀物自給率は61%などとなっている。
 また、令和12年45%目標のもととなる各品目の生産努力目標と生産量の実績をみると、3年度は品目(米、小麦、てん菜、豚肉)によっては、令和12年の目標を達成していたが、4年度はいずれも目標を下回っており、米は722万t(目標723万t)、小麦99万t(同108万t)、野菜1124万t(同1302万t)などとなっている。
 このほか食料自給力指標は米・小麦中心の作付けでは、供給可能熱量が1720kcal、いも類中心の作付けは2368kcalとなり、いも類中心の作付けでは、厚労省が示している推定エネルギー必要量を上回るものの米・小麦の作付けでは、下回る結果となった。

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