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食料安保を特集 リスクに強い構造へ転換を 4白書を閣議決定

政府は5月26日の閣議で農業白書(令和4年度食料農業農村の動向・令和5年度食料・農業・農村施策)、林業白書(令和4年度森林及び林業の動向・令和5年度森林及び林業施策)など農水省関連の4つの白書を閣議決定した。
 今回の農業白書では、特集に食料安全保障を取り上げた。上昇傾向で推移する穀物等の国際価格や配合飼料価格、肥料原料価格など国際情勢を解説し、わが国の対応を紹介。飼料価格高騰の緊急対策や肥料原料の調達不安定化・価格高騰に対応するための緊急対策、輸入依存度の高い小麦・大豆等の安定供給体制の強化に向けた支援などを説明している。
 そのうえで、今後の食料安全保障の強化に向けて、「不測の事態が発生した場合の対応の検討と平時から食料安定供給に関するリスクの把握・対応を的確に行うとともに、わが国の農業・食品産業をリスクに強い構造へと転換し、食料安全保障の強化に向けた施策を着実に推進し、食料の安定供給の確保に万全を期していくことが求められている」とまとめている。
 このほか、トピックスには①農林水産物・食品の輸出額が過去最高を更新②動き出した「みどりの食料システム戦略」③スマート農業・農業DXによる成長産業化を推進④高病原性鳥インフルエンザ及び豚熱への対応⑤デジタル田園都市国家構想に基づく取組を推進⑥生活困窮者や買い物困難者等への食品アクセスの確保に向けた対応―の6つを紹介している。
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 一方、林業白書の特集は「気候変動に対応した治山対策」を取り上げている。林野庁によると、「治山」を特集として取り上げたのは今回が初めてのこと。近年、気候変動などの影響を大きく受ける中、今後の治山事業のあり方をどうすべきか考える節目の時期に来ていることから取り上げたという。流域治水との連携や治山施設の長寿命化対策、ドローンなど新たな技術を活用した効果的・効率的な取組などを紹介している。また、林野庁の担当者は特にアピールしたい点として森林経営管理制度や森林環境税を挙げている。
白書は政府への報告だが、国民に各分野について広く理解してもらうためのものでもある。今回の白書ではQRコードなども活用しよりわかりやすい構成となっている。多くの国民に食料・農業・農村の実相が伝わるよう白書を活用した積極的な発信が求められる。

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