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重機を存分に操縦 真庭森林組合の市 大輝さん 目指せ林業プロ 我が社のホープ ‐22-

重機を存分に操縦 真庭森林組合の市 大輝さん 目指せ林業プロ 我が社のホープ ‐22-
古くから林業が栄え、今も美作ヒノキの産地として名高い岡山県真庭地域。そうした現場で迎えてくれたのが真庭森林組合の市(いち)大輝さん(35歳)だ。林産班の一員となって8年目。ガッチリした体型でいかにも山の男っぽい市さんのライフワークはクワガタ採り。学生時代から採集をはじめ、今も飼育したり標本にしたりしているとか。「夏場のシーズンは常に虫かごをぶら下げ、良い木の目ぼしを付けて回りながら仕事してます」と笑った。
 所属する真庭森林組合=岡山県真庭市勝山1884―5=は、真庭市(旧北房町を除く)管内に、勝山(久世)・落合・湯原の3支所、新庄村に1支所(美甘)の4支所体制で旧真庭郡エリアの森林の整備を担っている。「昨今ではバイオマス発電に適した早生樹の苗木作りなど次世代に繋がる取り組みにも着手している」と完田二郎代表理事組合長。その組合に入ろうとした動機は〝油圧ショベルを使う仕事をしたかったから〟。「ただ、事務職員としての採用だったのでデスクワークが中心でイメージと違ってまして。そんな時に今一緒に仕事している近藤さんから〝作業隊に入らんか〟と誘われ、一度退職して林産部に入り直しました」。組合職員との違いについて尋ねると、「やった分だけ自分に返ってくるのがこっちの魅力です」と答えた。
 同組合では使用機材についてチェンソー一つから全部個人で購入し、リース代として支払っている。市さんは現場に出た翌年にプロセッサ仕様機を購入した。「確かに大きな投資ではありますが、造材作業の効率は全く変わり、今はフォワーダ6車分25~30㎥ほどを目標に作業できるようになった」と効果を述べた。 落合班のメンバーも同様に機械代金を返済したら更新を繰り返してスケールアップさせ、林産班の中でも屈指の機械化を果たしたとか。その中で市さんは造材を担当している。「最初に比べれば経験を積んだので効率良く進められるようになったけど、刃のとぎ方一つで枝打ちの効率も変わるのは同じ。その点、自分の持ち物だから丁寧に扱うので大きな修理もなくグリスアップも毎日します。気になる箇所があれば直ぐ修理屋さんを呼んで対処するので逆に機械寿命が長い」と保有するメリットを述べた。
 基本的に南部の落合地区の現場がメインだが、夏場から規模の大きな美甘地区で作業をしている。少し前まではカセットコンロで沸かしたお湯でコーヒーを作り、飲みながらミーティングをして山に入っていた。「作業が始まれば黙々と進めていくが、油圧ショベルの操縦を存分にできるのは楽しいですし、開放感のある中で作業できるのは最高」と林業の魅力を語る。大黒摩季さんの大ファンで、いつも重機内で歌いながら作業しているそうだ。
 取材中には班長の宮川武志さん(62歳)、宮田一志さん(37歳)が山から下りてきて合流。その宮川班長によると、入った当初は今よりずっとスリムだったとか。「みるみる体形が立派になっていくのを見てると、現場が性に合っているんだよね」の言葉に納得してしまった。
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 本レポートは各地のJ―クレジット発行体を取材した「カーボン・オフセットで森づくり」に続き、各素材生産業者や森林組合などから若手林業従事者を紹介いただき、林業に入った感想などを聞くと共に、各事業体代表者などから人材獲得や育成について取り組んでいる工夫などを聞く。

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