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アクシア・ サナース 自走式タワーヤーダ実演会 中国地方で初開催 高い搬出能力やパワー披露

アクシア・ サナース  自走式タワーヤーダ実演会 中国地方で初開催 高い搬出能力やパワー披露
サナースの取扱い機器中国地方販売店であるアクシア(岡山県倉敷市)が11月29・30日、岡山県美咲町でコンラート社製自走式タワーヤーダの実演会を行った。今年8月に導入した森淵林業(森淵百合明社長、岡山県津山市)の協力を得て、同社の施業現場で実施。中国地方で初導入したということもあり、岡山県を内外の素材生産業者、森林組合、森林公社、バイオマス発電関係者、県職員など約140名が来場する中、少人数で高い搬出能力を実現する同機の作業性を披露した。

 今回デモを行ったのは、オーストリアに本社を置くコンラート社の自走式クローラ型タワーヤーダの最新機種「KMR4000U」。この他、急傾斜地での施業を意識したコンセプトで開発された狭い土場でも小回りが効くハーベスタヘッド「WOODY50」、タワーヤーダと組み合わせて使用する高性能搬器「リフトライナー」、その搬器の下に装着しているドイツ・ルードヴィッヒ社製のリモコン解放式チョーカーをメインに実施した。
 デモを前にサナース担当者からコンラート社の概要が紹介され、トラックマウント式のタワーヤーダでは世界NO.1のシェアを誇ることを説明。「しかしながら、トラックマウント式のタワーヤーダは機械重量やサイズの問題で日本の現場ではなかなか導入するのは難しかった。そこで弊社がクローラ式の開発要望を8年がかりで実施し、2020年にリリースした機械が今回実演するモデル。最大架線長800m、集材能力は4t引き。トラックマウント式と遜色のない能力を実現している」と同機の主な特長を説明した。
 デモは2日間で計4回実施。集材距離は約150mで、主索の張り上げ作業から行った。作業は先山の荷掛け手が材をワイヤーにかけ、造材オペレータが到着した木材をWOODYで造材作業を実施。リモコン解放式チョーカーを併用したことで、ボタン一つで荷外しができるため安全に作業が進められる上、搬器の引き寄せや荷外し作業を重機のキャビン内からリモコン操作でできるので効率も良く、タワーヤーダの前に丸太がみるみる積み上げられていった。その様子を見ていた広島県から来た一人は「タワーヤーダは殆ど見たことなかったのでどんなものか見に来たが、スピードが速くパワーも凄い」と舌を巻いていた。
 高い搬出能力を感じてもらえれば、と森淵林業の森淵社長。同社の年間素材生産量は間伐メインに5000㎥で推移しているといい、タワーヤーダは5年前から導入を検討していたという。「在来のケーブルクレーンや集材機を使っていたが、架設や撤収に時間がかかることと安全が担保できないことから欧州視察などを経て、どの架線系機械メーカーにするか模索していた。その中で実績も信頼性もあるコンラート社から日本向きの自走式が発売されたのを機に決めた。3カ月入れて感じたのは圧倒的な搬出能力。伐倒後の作業がスピーディーになり一本一本しか出せなかったものが4~5本一気に運び出せるようになった。そのためボトルネックだった集材作業が逆転し、ハーベスタが追われている状態」と効果を述べた。
 間伐メインの現場でどれほどの能力を発揮するか実証も兼ねている、と森淵社長。「1時間で25㎥ほど。搬出能力が上がるので今後は皆伐もやっていく方針で、そうなれば生産量も倍になると思う。これまでと同じ作業人数で倍になれば付加価値としては非常に高い」と大いに期待していた。

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