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農水省 白未熟粒など多い 3年地球温暖化レポート

農水省 白未熟粒など多い 3年地球温暖化レポート
農水省は9月16日、「令和3年地球温暖化影響レポート」を公表した。令和3年は水稲では出穂期以降の高温により白未熟粒が多くの都道府県で発生。また、果樹ではぶどうやりんごで着色不良・着色遅延、うんしゅうみかんでは日焼け果や浮皮が発生したとしている。対策として、水稲では水管理の徹底や適期移植・収穫の実施のほか、高温耐性品種の作付けが進められ、その作付面積は16万1000haで作付割合は前年から1・2ポイント上昇し12・4%となった。

 農水省が都道府県の協力を得て毎年まとめている「地球温暖化影響調査レポート」。地球温暖化の影響と考えられる農業生産現場での高温障害等の影響、その適応策を取りまとめている。
 まず令和3年の天候を見ると、平均気温は全国的に高く、特に北・西日本ではかなり高かった。降雪量については、前年12月から1月にかけ、日本海側では各地で大雪となった。また8月中旬は東・西日本で記録的な大雨となった。
 具体的な水稲の被害の状況をみると、例年と同様白未熟粒の発生の報告が多く全国31県から。直近5年をみると、令和元年が36県と最も多く2年は33県、今回の31県となっている。次いで多かったのが虫害の発生で18県。前年から1県の減少となった。このほか、前年より多く報告があったものとしては、胴割粒の発生(7県から14県)、登熟不良(4県から10県)、病害の発生(0県から4県)など。
 一方、主な適応策の実施状況としては、白未熟粒の抑制及び胴割粒の抑制対策として、水管理が最も多く行われている。ほかにも「適期移植・適期収穫、肥培管理等の栽培技術を徹底して行う」といった対策が行われたと報告されている。
 なお、高温耐性品種は全国35府県で作付けの報告があり、合計作付面積は16万1000haとなった。この結果主食用作付面積における高温耐性品種が占める割合は12・4%と対前年比1・2ポイントの上昇となった。経年では平成29年6・8%が翌年には9・1%、令和元年9・9%、令和2年11・2%となっている。
 作付けが多い品種としてはきぬむすめが2万2432ha(島根、岡山、鳥取など)、こしいぶき2万ha(新潟)、つや姫1万7101ha(山形、宮城、島根)など。
 このほかぶどうは、高温の影響として「着色不良・着色遅延」の報告が最も多く20県。また、8月に雨の日が多く日照不足だった影響もあるとの報告も複数あった。このほか、高温による「日焼け果」、多雨による「裂果」の報告も多かった。ぶどうの適応策としては着色・品質向上のための環状剥皮処理や着色優良品種及び着色を気にしなくて良い白・黄緑色系品種の導入が行われている。
 りんごは着色期から収穫期の高温による「着色不良・着色遅延」、果実肥大期から収穫期の高温による「日焼け果」の報告が多かった。また、令和3年は高温の後、低温となる気温の推移があったことから昨年0県だった「凍霜害」の報告が5県であった。

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