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手に職つけに林業へ エフバイオスの東野哲司さん 目指せ林業プロ 我が社のホープ

日本の林業現場にないヨーロッパ型の林業機械を導入した施業の実践など、林業の新たな可能性を追求しているエフバイオス山林事業部。その事業方針に惹かれて入社したのが東野(とうの)哲司さん(39歳)だ。4年ほど前に本格的に素材生産事業をスタートさせ、外部に募集をかけて採用したエフバイオス山林事業部豊後大野事業所(大分県豊後大野市三重町菅生字大屋原1―39)社員の一期生で、今年5年目を迎えた。今回現場まで案内いただいた企画グループの甲斐正文サブグループリーダー曰く〝メイド・イン・エフバイオス〟という東野さんに話を聞いた。
 福岡県福岡市出身。地元の専門学校を卒業後に旅館や運送業を経てこの世界に入った。「未経験からでも手に職がつく仕事をしたい、というのが動機」と東野さん。そこで考えたのが一次産業。「農業は実家がやっているし、酪農は命を預かる仕事なので休みがないかなと。林業を調べるとさまざまな機械を使える上に、その機械を動かすには資格も必要になるので、〝手に職をつけたい〟という当初の考えに合致した」と林業を選んだ理由を教えてくれた。ちなみに、水産業については泳げず・船酔いするとの理由で最初から選択肢より外したそうだ。
 同社に入社を決めたのが〝これからの林業を変えていこうとしている会社です〟との募集内容を見て。「人と違うことをするのが好きなので惹かれました」。同社が保有する林業機械を聞くとポンセ社フォワーダ『ガゼル』や、ノイソン社ロングリーチ型ハーベスタマシンなど国内で稀少な機械を揃えており、そうした海外製の機械を活用し、新しい技術も積極的に取り入れて効率的な林業を実践しているという。その中で東野さんはガゼルで搬出作業をメインに担当。「快適に作業を進められて、トラックが間に合わないくらいの速さで材を出してます」と笑う。ただ、東野さんが入社した当初はグラップルのレンタル機で木材を並べてチェンソーで丸太を作っていたといい、「そこから必要な機械を揃えてきたので、作業効率が上がって便利になっていく変化を肌で感じることができた」と振り返る。
 その東野さんが現場に出て実感したのが〝林業は体力勝負〟だということ。「10㎏近くの機材を背負って現場に運ぶだけで本当に大仕事。また、現場では同じ山や木がなく、伐倒の際に一本一本〝真っ直ぐなのか〟〝枝がどこを向いているのかを確認して作業しないといけない。手間がかかる分、上手くいって山がきれいになると爽快です」。
 同僚や先輩も年齢が近いことから意見も交わしやすく、働きやすい環境だとのこと、その中で機械操作のコツや実際に稼働している様子を参考にして技術を磨いている。「目標は指示された仕事を即座にこなせるようになること。グラップルやハーベスタなどを利用した既存のやり方を学びつつ新しい施業方法も身につけたい。そこに到達するには10年はかかると思っているし、3倍くらい努力が必要と考えています。とにかく一つずつ覚えていきます」との言葉に充実ぶりが伺えた。    
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 本レポートは各地のJ―クレジット発行体を取材した「カーボン・オフセットで森づくり」に続き、各素材生産業者や森林組合などから若手林業従事者を紹介いただき、林業に入った感想などを聞くと共に、各事業体代表者などから人材獲得や育成について取り組んでいる工夫などを聞く。

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