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サツマイモ基腐病 苗床の土壌還元消毒技術 

農研機構はこのほど、「サツマイモ基腐病を防除する苗床の土壌還元消毒技術標準作業手順書」をホームページで公開した。
 サツマイモ基腐病は、南九州・沖縄のかんしょ産地で多発している土壌病害。病原菌を圃場に「持ち込まない、増やさない、残さない」ことが防除対策の基本であり、その要となる「健全苗の育成」には清浄な苗床の確保が不可欠だ。本手順書では、化学合成農薬を用いない防除対策として米ぬかを用いた苗床の土壌還元消毒技術を紹介している。
 土壌消毒還元では、地表面をビニールで被覆したまま30℃以上の地温で3週間から1か月間行う。事前準備では、苗床全体を均一に湛水できるように一度耕起して土壌を細かく粉砕するとともに、高低差がないように均平にならすなどのポイントが紹介されている。
 室内試験では、苗床においては、地温30℃以上で3週間以上湛水、密封する土壌還元消毒を行うことにより、基腐病に対する防除効果があると判断された。
 化学農薬との資材コストの比較では、土壌還元消毒では10a当り1t処理するが、資材経費としては米ぬかの方が化学農薬よりも25%安くなるとしており、また灌水チューブや被覆用のビニールは既存のもので代用できる。その他失敗事例とその理由なども紹介されている。
 なお、担当は農研機構植物防疫研究部門研究推進部研究推進室。

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