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農業DXに係るスマート田植機実演会 ロボット田植機等 新潟大学と井関農機が最先端技術を披露

新潟大学は5月11日、同大学農学部附属フィールド科学教育研究センター新通ステーションにおいて、文科省「デジタルと専門分野の掛け合わせによる産業DXをけん引する高度専門人材育成事業」の採択を得て導入した井関農機の可変施肥田植機「PRJ8FV」の実演会を実施した。この日は更に、井関農機が新潟県に初めて導入したロボット田植機「さなえPRJ8」による植付けも実演。集まった学生、教職員、地域の農業関係者ら約40名が、最先端の農業技術に触れた。
 文科省の事業に採択された新潟大学の課題名は、「フィールドを舞台に農業DXをけん引する高度農業人材育成プログラム」。事業への申請でディレクターを務めた同大学農学部の長谷川英夫教授は「新潟県の特徴は、農業・雇用分野の国家戦略特区であり、国内最大の水稲作付面積・収穫量、中山間地域の棚田と景観である。一方で、農業界の課題は、担い手の減少・高齢化の進行などによる労働力不足、省力化、人手の確保、負担の軽減、生産基盤の維持。そのため、デジタル技術を前提とした新たな農業への変革、デジタルトランスフォーメーション(DX)を実現することが重要視されている。この事業の目的は、新潟の強みと特色を生かし、フィールドを舞台とした実験・実習科目等の開発・高度化を通じて、データサイエンティストの資質を備えた高度農業人材を育成すること」と話す。
 同プログラムでは始めに、データサイエンスなどを講義。そのうえで、土壌分析、気象観測、ほ場から発生する温室効果ガス等のモニタリングにより、農業生産のデータを取得。更に、可変施肥田植機の実習、生育ばらつきの理解、ICT・ロボット技術やAIの活用、生産基盤の維持に必要なリモートセンシングなどに繋げていく。
 センター長の山田宜永教授も「これからの実習は、フィールドとデジタルを掛け合わせることが大事。スマート農業も教えていく時代になっていく」と語る。
 実演会の冒頭では、同大学農学部長の中田誠教授が「本日は基礎農林学実習の実施日でもあり、学生の試乗体験なども通じて、デジタル×農業の理解促進が期待される」と挨拶。続いて、新通ステーション担当の山崎将紀教授が「スマート農業の一端に触れて皆さんが勉強できればありがたい」と話し、長谷川教授は「新しい技術を農場の実習の中で体験し、データを取得、それを皆さんの学びに生かしていくことが大事だと思って申請書を作成した。可変施肥田植機、ロボット田植機の動き、井関農機さんの説明を聞いて理解を深めてほしい」と呼び掛けた。
 井関農機の岩本一臣氏が可変施肥田植機やロボット田植機、直進アシスト機能などを実演を交えて解説。試乗した学生はPRJ8FVがハンドルから手を離したままでも、直進していく機能を体感した。
 次にロボット田植機。無人で正確に植付けていく様子を披露。更に、学生の試乗も行った。大学院1年の小島佳織さんは「手も何も触れていないのに、まっすぐ進んでいく。田植えは重労働というイメージだが、ロボットが植えてくれるので、若い人も農業に入りやすいのではないか」との感想。農学部2年の八下田峻佑さんは「乗っていると分かるが、本当にまっすぐ進む。凄いと思った」と話していた。
 最後に、長谷川教授は「井関農機さんとも協力し、最終的な品質まで検証する。授業の高度化に期待している」と、これからの展望を語った。

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