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南九州かんしょドローン研修会 降雨・台風前に予防を シンジェンタとDJI

シンジェンタジャパンとDJIJAPANは、4月21日、鹿児島県曽於市にある旧中学校舎で「南九州かんしょドローン研修会」を開催した。
 研修会には鹿児島、宮崎など南九州地域から農業ドローンオペレーターやドローン購入希望者など40名、また地元酒造メーカーも参加した。
 かんしょ(さつまいも)基腐病は、2018年から鹿児島県や宮崎県でかんしょの株が立ち枯れ、塊根(イモ)が腐敗する症状が多発、収量が減少し深刻な問題となっている。また病害虫発生予報によるとこれまでに25都道県で発生が確認されている。農研機構や鹿児島県、宮崎県、沖縄県は「産地崩壊の危機を回避するためのかんしょ病害防除技術の開発」に取組むなど、産地の大きな課題となっている。
 研修会では初めにシンジェンタジャパンの及川真氏がかんしょ基腐病の生態や発生要因、殺菌剤アミスター20の散布タイミング等を説明した。
 かんしょ基腐病の発生には、圃場の排水性や過去の発生履歴、積算降水量が大きな影響を与える。このため、種芋の消毒や苗消毒、排水対策を行った上で、アミスターを降雨や台風で罹病株や残渣から病原菌が拡散する前に散布することが重要となる。定植後5週頃に1回目の散布で圃場残渣由来の初発を防止し、2回目を7~8月の長雨前、3回目を台風前に予防散布する。アミスターは、浸透移行性があり耐雨性が高く、感染後の菌糸の伸長を防ぐなどの特長がある。またドローンなどの無人航空機散布にも対応。高濃度少量散布でも卓効があり、雨の合間にも防除ができ、炎天下でも作業労力の軽減が図れる。また幅広い作物登録がありドリフトリスクも低い。
 昨年の防除では、病気が目に見えてからの散布は防除効果が弱く、またかんしょが大きくなると散布水量が少なく有効成分量も足りなかった。同社は今年、予防的散布と十分な水量確保、また雨の合間でも畑に入れる無人航空機防除による適期防除を推進する。
 続いてDJIJAPANの金洪民氏がT10とT30を紹介。ドローンは1haを約10分で散布でき、作業効率がよく、炎天下の作業負担も大幅に軽減できるとした上で、T30は、散布幅が広くて大容量、下向きの風にとても強い。またT10も含めてかんしょの株元まで散布が可能。機体はIP67で耐久性試験を実施し過酷な作業下でも対応する。また、T10は一人で持ち運びでき、ワンタッチロックアームなどの利便性、前後左右の360度方向の衝突機能防止機能を装備し安全性も確保されているなどの特長を説明した。
 ドローンで請負防除を行っているスカイウォーカーは昨年、アミスター20を散布。「動噴に比べて迅速に広範囲をカバーでき、均一に散布できるメリットがある」と述べた。

     ◇
 ドローン等の無人航空機(100g以上)は、「機体登録制度」の導入で、6月から登録記号の機体への表示等が義務化される。国は、昨年12月から事前登録を開始しており、6月20日前に登録された機体はリモートIDの装着は免除される。DJIJAPANは、リモートIDの対応を行うが、既に所有する機体については早めに事前登録を行うよう呼びかけている。

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